10那由他バイトの情報を蓄積できる未来のストレージ「Black Hole Recorder」のプロトタイプが展示中
理化学研究所の数理創造プログラム(iTHEMS)などが参画するデザインスタジオ「Useless Prototyping Studio」が製作しています。
ブラックホールを情報を蓄積できるデバイスとして利用する「Black Hole Recorder」のプロトタイプ(模型)が期間限定で展示されています。3月14日~21日(15日、16日を除く)に日本科学未来館(東京都江東区)で展示中です。
Black Hole Recorderは、理化学研究所の数理創造プログラム(iTHEMS)などが参画するデザインスタジオ「Useless Prototyping Studio」が手がける第1弾プロトタイプ。同スタジオは「一見役に立たないプロトタイプによって、未知への好奇心が未来をつくる可能性を可視化する」ことを目指しています。
蓄音機をモチーフにした、膨大なデータを録音できるデバイスという設定。月の質量に相当する物体を約0.1ミリの大きさに圧縮することで生成したブラックホールを格納し、上部、下部に入っているブラックホールを制御することでデータを記録、転送します。蓄積できる情報量は約10の52乗ギガバイト(10那由他バイト)に上るとしています。
Black Hole Recorderは、iTHEMS上級研究員の横倉祐貴氏が2020年7月8日に発表した「蒸発するブラックホールの内部を理論的に記述-ブラックホールは未来の大容量情報ストレージ?-」の理論にインスパイアされ、クリエイターがブラックホールを大容量情報ストレージデバイスとして活用する未来を空想してデザインしたもの。
展示では、暗室空間の中でBlack Hole Recorderを鑑賞可能。会場全体が実験空間となっており、会場の音は常に録音されます。記録された音を将来的にブラックホールに送る実験が計画されています。
※16日追記:当初「1那由他バイト」と記載していましたが、発表資料に誤りがあったため「10那由他バイト」に修正しました
関連記事
スパコン「富岳(ふがく)」が世界1位に! 「京」の後継として世界初の4冠達成
日本発のスパコンが1位となるのは2011年以来の「京」以来約9年ぶりのこと。液体のりの成分で造血幹細胞を増幅 東大などが成功 安全で低コストな白血病治療に期待
これまで高価なウシ血清成分などで行ってきた培養が、液体のりの主成分「ポリビニルアルコール」でできるように。日本人はお酒に弱くなるよう進化してきた――遺伝子情報から判明
なぜアルコールに弱い体質が残るよう世代を重ねてきたのか、理由は不明。ゴキブリの成長を阻害する遺伝子が発見 他の生物に影響なくヤツだけを倒せる新型殺虫剤の開発に期待
脱皮に影響する物質を注入することで、脱皮不全で死亡させることに成功。「ニホニウム通り」爆誕 和光市駅から理化学研究所までの歩道
理化学研究所は和光市にあります。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.