米陸上選手「ドーピングに引っ掛かったのはブリトーのせい」 4年の出場禁止処分に反論、東京オリンピックの有力候補
髪の毛からは検出されず。
米陸上選手のシェルビー・フーリハンが6月15日、Instagramを更新。ドーピングによる出場禁止処分に反論しています。フーリハン選手は中距離女子代表として2016年のリオデジャネイロオリンピックに出場。現在でも1500メートルと5000メートルで国内記録を保持し、東京五輪の有力候補と見なされていました。
国際陸上競技連盟によって設立された不正防止機関「アスレチックス・インテグリティ・ユニット(AIU)」は6月14日、フーリハン選手に4年の出場禁止処分を与えると発表。これは2020年12月に行ったテストで、ステロイドの一種ナンドロロンが検出されたためと説明しました。
これを受けフーリハン選手はInstagramに「非常に打ちひしがれ、悲しみ、戸惑い、憤っており、自分が愛して全力を注ぎ、結果を出してきたスポーツに裏切られた気分」との声明を発表。“ナンドロロン”という物質の「名前すら聞いたことない」と訴え、いかなる禁止薬物も使用したことはないと身の潔白を訴えています。
今回、ステロイドが検出された理由について、フーリハン選手はテストの約10時間前に、近所の店で購入したブリトーを食べたためだと主張。髪の毛からは薬物使用の痕跡が検出されず、同じものを食べた被験者を10時間後にテストした場合、自身と近い数値が出たことを根拠にしています。
フーリハン選手が主張するように、米国やオーストラリアなどでは、牛や豚といった家畜を育てる際に、肥育促進を目的にホルモン剤やステロイドを投与することがあります。これらが蓄積された臓器を食べることで、ドーピング検査で陽性になることがあるとフーリハン選手は訴えましたが、世界ドーピング防止機構(WADA)は、髪からサンプルがでなかったのは薬物を定期使用していないからと結論。ポリグラフ(うそ発見器)まで受けて身の潔白を訴えたフーリハン選手は、自らの主張に沿った再検査、検討といった適切な措置がとられていないと批判しています。
SNSでは「出場禁止処分に納得がいかない」「ブリトーのせいだなんて、そんなことあり得るの?」「コーチから食生活についてアドバイスは受けなかったのか」とさまざまな意見が噴出。処分が明ける2025年、フーリハン選手は32歳。東京オリンピックだけでなく、2024年に予定されているパリ五輪の出場機会を逃すことになります。
ジェリー・シューマッハーコーチは公式サイトを通じ、「正義は成されると信じていたが、WADAは誤った決断を下した」と落胆を表明。フーリハン選手と同じくブリトーが原因と主張し、AIUとWADAへ「恥を知れ!」「クリーンなアスリートを追放している」と検査体制の不備を含め強い言葉で批判しました。「許容する限り悲劇はまた起こる」とコーチやアスリートへ立ち上がるよう呼びかけています。
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