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「は!? なんで?」えちごトキめき鉄道の独特なダイヤ 急行は「急いで行かない」の意味だった!?月刊乗り鉄話題(2021年7月版) えちごトキめき鉄道「急行列車」(3)(2/3 ページ)

えちごトキめき鉄道の「急行」には2つの意味があります。え? 「急いで行かない」なの……?

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マニアックなお楽しみ「デッドセクション手動切替」と新名所も愛でよう

 「観光急行」はもう1つ貴重な体験もできます。「デッドセクション手動切替」です。

デッドセクション通過の様子

 デッドセクションとは、架線に電気が流れていない区間のことです。主に交流電化区間と直流電化区間の境目にあります。日本海ひすいラインには、梶屋敷駅とえちご押上ひすい海岸駅の間にあります。この区間を直通する電車は両方の電源に対応する必要があります。走行中に電源を切って惰性で走り、次の区間の電流を受け入れるように機械を切り替えます。

 デッドセクションの通過中は電力が供給されないため、かつては車内の照明や空調装置などもオフになり、バッテリーによって非常灯が点くだけでした。現在はほとんどの電車が電源切替を自動化しており、また大容量バッテリーも搭載しているので照明は消えません。有名なところでは常磐線の取手~藤城間、つくばエクスプレスの守谷~みらい平間などがあります。注意深く観察すると車内案内装置や空調が変化しますが、ほとんどの乗客は気付きません。

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デッドセクションを通過するときは、ふだんは消えている蛍光灯が非常灯となる

 「観光急行」は古い電車なので、運転士さんが手動で電源を切り替えます。車内の照明も「しっかり」消えます。恐らく全国でここだけです。


糸魚川駅で折り返し。隣のホームに普通列車

えちご押上ひすい海岸駅。ディーゼルカーだから停まれる駅

 ちなみに、えちごトキめき鉄道日本海ひすいラインの普通列車はディーゼルカーです。ディーゼルカーならば電源方式の違いとは関係なく走行可能です。高価な交直両用電車を新造する必要もありません。そしてこの節約策で思わぬ効果を得ました。「えちご押上ひすい海岸駅」の設置です。

 以前から糸魚川高校の最寄り駅として設置要望がありましたが、デッドセクションに近いため電車を停められませんでした。しかしディーゼルカーならばデッドセクションとは関係ありません。そこで2021年3月13日に待望の新駅、えちご押上ひすい海岸駅が誕生しました。


直江津駅に戻ってきた
鉄道ファンが大好きな「方向幕変更ショータイム」。JR西日本時代の駅名が残る

 直江津駅には2021年4月に「D51レールパーク」もできました。園内には蒸気機関車「デゴイチ」ことD51形があり、圧縮空気システムで直江津駅構内を走行します。車掌車を2両連結して走行可能。主に土日祝日の営業で、「観光急行」と合わせて楽しめます。D51の車庫では413系電車の先頭車も保存されており、車内で鉄道グッズを販売します。

 糸魚川駅の「ジオステーション ジオパル」もオススメです。大糸線で活躍したディーゼルカー「キハ52形」、国産最後の蒸気機関車「くろひめ号」、かつて大阪と札幌を結んだ寝台特急「トワイライトエクスプレス」の「展望A個室スイート」と「食堂車」の一部を再現した車両があります。鉄道模型ジオラマは2つ。7×6メートルの大型Nゲージと、10×2.5メートルのHOゲージはどちらも大迫力です。

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直江津駅跨線橋からの眺め。奥の方に「D51レールパーク」がある。次回は土日祝日に来ようと思った

糸魚川駅とジオステーション ジオパル入口

キハ52形を保存展示

蒸気機関車「くろひめ号」

トワイライトエクスプレスの実物大模型。部品の多くは本物を使っている

食堂車

まるで乗車しているような気分になる

Nゲージジオラマは圧巻

大糸線を再現したHOゲージのジオラマは雄大

反対側は糸魚川機関区を再現しているようだ

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