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コロナ禍でピンチな『地球の歩き方』が「本気で生き残ろうとしている」と話題 旅行ガイドから図鑑系読み物へのシフトについて聞いた

地球の歩き方編集部の方にお話を伺いました。

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 海外旅行が難しく、また世界を回って取材することが厳しいコロナ禍で、海外旅行ガイドブック『地球の歩き方』が「本気で生き残ろうとしている」と注目を集めています。

 2019年で創刊40周年を迎えた『地球の歩き方』。Twitterユーザーの永山久徳さん(@h_nagayama)が「顧客の大部分を失った『地球の歩き方』が本気で生き残ろうとしている。思わず買ってしまう」と投稿した本棚の写真には、

『世界のグルメ図鑑』『世界の魅力的な奇岩と巨石139選』『世界なんでもランキング』『世界246の首都と主要都市』

 など、通常の国名タイトル以外の書籍が並んでいます。国ごとの旅行ガイドではなく、各国の知識が学べる図鑑系の内容にシフトしてる……!

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地球の歩き方の方針の変化が見て取れる背表紙(画像提供:@h_nagayamaさん)

 そんな海外旅行ガイドブックの老舗による方針転換に、「海外のひとり旅ができたのはこの本のおかげ」「生き残って欲しい」と読者から応援する声が寄せられ、「これは気になる」「直接行けない今だからこそ、楽しめそう!」「買って応援したい」の応援する声が上がっています。

地球の歩き方・世界のグルメ図鑑
世界中で愛されるギョウザ特集ページ(中身の一例)

 上記で挙げたタイトルは、その名も「旅の図鑑シリーズ」。既に第9弾まで発売されており、フットワークの軽さに驚きますが、そのきっかけはなんだったのか。地球の歩き方編集部にお話を伺いました。


――地球の歩き方「旅の図鑑シリーズ」を発刊したきっかけについて教えてください。

地球の歩き方編集部図鑑シリーズの第1号は、2020年7月に発売となった『世界244の国と地域 197カ国と47地域を旅の雑学とともに解説』(※)でした。こちらを出した理由が、2020年7月に開会式を迎える予定だった「東京2020」に合わせて、オリンピックの開会式の選手入場や競技を見ながら、この本を読んでほしいという思いで作ったところ、新型コロナウイルス感染症の影響で、オリンピックが延期になってしまいました。

※シリーズ第1弾の『世界244の国と地域 197カ国と47地域を旅の雑学とともに解説』は、当時のダイヤモンド・ビッグ社より出版。現在は学研ホールディングスのグループ会社「株式会社 地球の歩き方」より発行。発売元は学研プラス。 

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 折しも、海外に行けない時期が続いていて、「地球の歩き方」から出した初めての全世界串刺し本でしたので、多くの読者の方に注目していただきました。

旅の図鑑シリーズ第1弾は、地球の歩き方初の“全世界串刺し本”
各国・地域の解説や雑学とともに写真を掲載(中身の一例)

 また、同じく「東京2020」を機に東京の魅力を紹介ガイドブックとして、「地球の歩き方」シリーズ初の国内版『地球の歩き方 J01 東京』を発売しました。こちらもコロナ禍で移動が制限されているなかで大反響となりました。

――コロナ禍で主にどのような影響がありましたか?

地球の歩き方編集部海外取材に行けず、誰も海外旅行に行くことができない状況が続いたため、海外ガイドブックの発行ができなくなりました。

 これまで売り上げの大部分を占めていた「地球の歩き方」海外ガイドブックシリーズが売れなくなってしまいましたが、『地球の歩き方 J01 東京』『旅の図鑑』シリーズ、『御朱印(御朱印をテーマにしたガイドブック)』『島旅(日本の各島ごとのガイドブック)』『aruco(女性旅行者向けのガイドブック)』の国内版シリーズが売れるようになりました。

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地球の歩き方・東京(関連記事

――従来の『地球の歩き方』との違いを教えてください。

地球の歩き方編集部従来の「地球の歩き方」シリーズは世界各国・地域を旅する際に必要な渡航テクニックや現地で行くべき物件、その土地の歴史など、旅先のあらゆる情報を掲載した実用書です。

 「旅の図鑑」シリーズは、世界各国・地域をワンテーマで深掘りするもので、旅先に持って行く実用書というよりも、お家で旅気分を楽しんだり、旅前の知識を深めるために読んでいただく書籍となります。

――テーマはどのように決めていますか。

地球の歩き方編集部編集部の会議や地球の歩き方制作スタッフからアイデアを募集し、自分たちがおもしろいと思ったものを出しています。編集長の趣味嗜好が入っているものも(笑)。

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『世界の魅力的な奇岩と巨石139選』では、奥深い岩の世界をピックアップ

――特に力を入れて解説しているところなど、見どころを教えてください。

地球の歩き方編集部もともとは旅の実用書として42年間食べてきましたので、実際に旅に役に立つことを掲載するよう心がけています。例えば『世界の城と宮殿333』では、「城の全景を正面からカメラで収めるなら、テーゲルベルク山に登るロープウェイの途中がおすすめ」など。

『世界のすごい城と宮殿333』では、各国名城の楽しみ方を紹介

――旅の図鑑シリーズの反響はありましたか。

地球の歩き方編集部おかげさまで、図鑑第1号の『世界244の国と地域 197カ国と47地域を旅の雑学とともに解説』は「地球の歩き方」のちょっと豪華版のような見た目にもなり、反響をいただきました。

――特に反応がよかった本や、オススメの本があれば教えてください。

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地球の歩き方編集部図鑑シリーズで特に初速がよく反応がよかったものは、以下の3タイトルです。

  • 『世界244の国と地域 197カ国と47地域を旅の雑学とともに解説』
  • 『世界246の首都と主要都市 199の首都と47の主要都市を旅の雑学とともに解説』
  • 『世界のグルメ図鑑 116の国と地域の名物料理を食の雑学とともに解説 本場の味を日本で体験できるレストランガイド付き!』

 そのほか、

  • 『世界の魅力的な奇岩と巨石139選 不思議とロマンに満ちた岩石の謎を旅の雑学とともに解説』
  • 『世界のすごい巨像 巨仏・巨神・巨人。一度は訪れたい愛すべき巨大造形を解説』

 も「地球の歩き方」ならではの書籍となりました。

 これから発売となる『世界197カ国のふしぎな聖地&パワースポット』(8月26日発売)もおすすめです!

地球の歩き方・世界のすごい巨像
『世界のすごい巨像』の折り込み付録は「世界の巨像ベスト30」一覧
『世界246の首都と主要都市』では、首都・主要都市の由来から歴史、交通、そして雑学まで学べる

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