スマホのカメラで“空気の流れ”が見えるアプリ、エンジニアが開発 国内外から注目が集まる(1/2 ページ)
冷たい空気が下降する様子も見える。
スマホのカメラを使って空気の流れを見られるアプリが興味深いと国内外から注目が集まっています。開発者に仕組みについて聞きました。
アプリを開発したkambara(@kambara)さんが、スマホカメラを使って空気の流れを映し出す映像を公開。背景に砂嵐のディスプレイを設置し、ドライヤーから出る風を画面に映します。
ドライヤーのスイッチを入れると、スマホの画面上では黒の背景に先端から勢いよく白い影が噴き出します。蛇口から水が流れるように、吹き出し口から、風が流れ出していることが分かります。肉眼では見えないものが写る様子に、これはすごいと驚いてしまいます……!
また、ドライヤーのように激しい空気の流れだけでなく、保冷剤から出る冷たい空気がゆっくりと下降する様子も確認できます。どうして目では見えない空気の流れを、スマホ搭載カメラだけで観測できるのか、開発者のkambaraさんに仕組みを聞きました。
アプリには「背景型シュリーレン法(BOS法)」という、密度変化を可視化する手法を使っているといいます。「暑い日に道路がモヤモヤと揺らいで見えることがあるかと思います。その原因となっている、温度の変化で空気の屈折率が変わり、光が曲がる現象を応用しています。ドライヤーや保冷剤ぐらいの温度変化でも屈折率は変化するのですが、肉眼ではほとんど見えません。そこで、被写体の背景に特殊な模様の画像を置いて、カメラに映るごくわずかな画像の揺らめきを捉え、さらに画像処理でハッキリと見えるようにしました」(kambaraさん)
この手法自体は新しいものではないものの、「大掛かりな機材や高性能なコンピュータを使わず、スマホで手軽にできると面白そう」と思って試してみたところうまくいったとkambaraさんはコメントしています。
アプリのリリース予定については「まだ実験的に作ってみた段階で、使いやすくはなっていないため、今のところストアには置いていません。差し当たってAndroidアプリのソースコードとAPKファイルをGitHubで公開しているので、興味のある方はこちらで試していただけます」とのこと。
Twitterには1万1000件のいいねが寄せられていて、アプリを活用できそうなアイデアとして「ラジコンとかの空力調査とかいろいろ出来そう」「ダイソンの扇風機と合わせて、自宅風洞とか作れるのでは」などのコメントが飛び交っています。
画像提供:kambara(@kambara)さん
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