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車両の洗浄は「手作業」……!? 野岩鉄道、唯一残る6050型の改修に向けたクラウドファンディングを実施中(2/3 ページ)

以前は都内まで乗り入れていた6050型の、生き残りをかけた挑戦です。

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 今回の主役となる6050型は、車内にボックスシートやテーブルを備え、旅行気分を存分に味わえる車両です。2017年4月のダイヤ改正までは浅草から東武日光・新藤原・会津田島までを結ぶ「快速」という種別で使用していました。


2017年4月まで運行されていた快速列車(筆者撮影)

 快速は特急料金不要、乗り換えなしで都心から日光・鬼怒川温泉方面へ向かえたため、繁忙期には座れないほど混雑していたのを覚えています。また尾瀬へ向かう夜行列車「尾瀬夜行」「スノーパル」や、快速急行「だいや」(現行の東上線とは異なり、当時は有料列車)で使用していた歴史もあり、他の通勤用列車とは一風変わった特別な車両という印象がありました。

 2017年4月のダイヤ改正で浅草駅発着の快速と区間快速が全廃となり、現行の特急リバティに置き換わりました。同時に、これまで毎日都心部と福島県を結んでいた6050型も、都心部への乗り入れが終了しました。

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2022年3月まで運行されていた南栗橋発着の6050型(筆者撮影)

 その後は南栗橋以北のエリアで主力車両として活躍していましたが、2022年3月のダイヤ改正で東武鉄道と会津鉄道での6050型の運転が全廃され、野岩鉄道が所有する2編成のみが残りました。2022年8月現在、東武鉄道の鬼怒川温泉駅から会津高原尾瀬口駅までの区間でのみ見られる列車となっています。

 東武鉄道での共通運用が終了してしまったことで、野岩鉄道にはある問題が発生しました。

 これまで乗り入れ先で使えていた、東武鉄道が所有する自動洗車機を使えなくなり、6050型は車体の汚れが数カ月で目立つように。社員が手作業で洗車を行う状況に陥り、野岩鉄道社長は自身のTwitterアカウントで「これも超零細鉄道会社の実態です」と悲痛な叫びを上げています。

野岩鉄道社長による悲痛な叫び
手作業で車両の洗浄を行う野岩鉄道社員

 クラウドファンディングは多くの人の思い出に残る、6050型の生き残りをかけたもの。実施期間は2022年10月7日までの残り約1カ月となり、現在までに1140万円近くの寄付を集めています。

 最低支援金額は3000円から。1万円以上の支援を行うと「オリジナルデザイン1日フリー乗車証」や「硬券デザイン支援証明書」などのお礼の品がもらえる他、改修した車内に支援者として名前が掲載されます。野岩鉄道や6050型に思い入れある人も、そうでない人も、野岩鉄道の大きなチャレンジを応援してみては。

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