塩味を約1.5倍強く感じるスプーンとお椀 キリンと明治大学が共同開発(1/2 ページ)
“塩分のとり過ぎ”という社会課題の解決に向けた共同研究から開発されました。
キリンホールディングスは、微弱な電流により擬似的に塩味を強くするスプーンとお椀型のデバイスを開発しました。明治大学の宮下芳明研究室との共同研究によるもの。2023年の発売を目指します。
「エレキソルト -スプーン-」「エレキソルト -椀-」は、人体に影響しないごく微弱な電流を用いて、塩味のもととなる塩化ナトリウムやうま味のもととなるグルタミン酸ナトリウムなどが持つイオンの働きを調整。疑似的に食品の味の感じ方を変化させる「電気味覚」の技術を活用することで、減塩食の味わいを増強させる独自の電気刺激波形を開発し、食器に搭載しました。
3月2日にキリンと宮下研究室が発表した「減塩生活者を対象とした電気味覚による塩味増強効果の調査」では、現在減塩を意識した食生活を送っている(あるいは過去に送っていた経験のある)40~65歳男女31人を対象に、同技術を搭載した箸デバイスを用いて臨床試験を実施。試験用食品を食した際に感じた“塩味強度(※塩味の濃さ)”についてアンケートしたところ、31人中29人が「塩味が増した」と回答したとのこと。
また電気刺激を付与しない条件と比較して、塩味が1.5倍程度増強される結果が得られたとしています。
「エレキソルト -スプーン-」は、柄にあるスイッチで電源を入れると、スプーン先端から微弱な電流が食品に流れて効果を発揮。「エレキソルト -椀-」は、側面にあるスイッチで電源を入れて、底部を手で持つことで、お椀内部に微弱な電流が流れて効果を発揮します。どちらも強度は4段階から選べます。
デバイスとセットで減塩食を提供し、満足度を評価する実証実験を9月~11月の期間に実施。ノルトとオレンジページと共同で有用性を検証します。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.