アニメ業界のフリーランス“4人に1人”が「廃業の可能性あり」と回答 インボイス制度導入に向けた意識調査結果にて(1/2 ページ)
調査対象者の半数が「年収300万円未満」と回答。
就職支援事業を行うワクワークは、2023年10月から始まるインボイス制度について、アニメ業界で働くフリーランスを対象に意識調査を実施しました。調査結果では、事業者のうち“4人に1人”が「廃業する可能性がある」「廃業することを決めている」と回答しています。
ワクワークは1132人から回答を集め、集計結果を中間発表。2023年10月にインボイス制度が導入された場合、仕事の量はどうなるかという質問に対して、32.2%が「減ると思う」と回答し、25.0%が「廃業する可能性がある」「廃業することを決めている」と答えました。
さらに、回答者全体の9割以上が現在、消費税の納税を免除されている売上1000万円以下の「免税事業者」に該当することが判明。アニメ業界で働くフリーランスの大半が、インボイス制度導入によって大きな影響を受ける可能性があります(関連記事1/関連記事2)。
「廃業する可能性がある」「廃業することを決めている」と回答した人のうち、約7割は「年収300万円未満」で、年代別では20~30代が7割超。インボイス制度の導入が、若いクリエイターにアニメ業界での活躍を諦めさせる一因となる恐れが強いことがうかがえると、ワクワークは述べています。
また、インボイス制度についての考えを問う質問に対しては、約9割の人が「導入時期は延期すべき」「将来的にも導入するべきではない」と否定的に回答。制度の認知度を尋ねる質問には、約8割の人が「よく理解している」「だいたい知っている」と答えており、インボイス制度とは何かを知ったうえで反対している人が多いことが分かります。
なお、「インボイス制度意識調査」は、現在も引き続き行われているとのことです。
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