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一体なぜこんなルートになったんだ!? 60年前に開通、不思議で謎だらけの愛され険道「山口県道270号」を愛でる(5/6 ページ)

あまりに華麗なスルーっぷり。でも、すごく「愛され」ているんです。

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通行止めの反対側へワープして再開、すばらしすぎる「絶景」があった!

 終了……というわけにはいかないので、通行止めの反対側へワープして再開しましょう。


ぐるっと回って逆方向から通行止めの反対側に到着。では再開

 通行止め区間は「落石注意」のためです。通行止め区間の先も路面の状況はあまりよくなく、狭いです。でも! 右手にぱぁぁと景色が開け、日本海が見えました。す、すごい! すばらしい景色です。


もうおなじみオレンジ色のガードレールの右側は……!

絶景!

 絶景にうっとりしながら進むと、信号のない交差点で国道191号と合流します。

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国道191号と合流。よくある県道ならばならばここで終わり……ですが、県道270号はまだ終わりではありません

国道側から見た県道270号の出口。初見だとここが県道とは思えない光景

県道270号であることを示す標識、国道との合流地点にもきちんとあった

 ここで県道は終わり、ではありません。ここから県道270号は国道191号と重用、端的には「間借り」する形で南へ進みます。

 国道との重用区間となると、やはり国道のほうが立場が上。県道270号の存在はここで限りなく薄くなります。


案内標識も、国道191号であることを示す通称「おにぎり」だけ掲出されていた

 国道191号は地方の一般国道といった感じです。海沿いなので景色がとにかくきれいです。道路ファンとして特筆すべきものはないかなとしばらく進んでいると、不思議な光景がついに表れました。


一見、よくある地方道の交差点ですが……

 何げない交差点を曲がった先に、鉄道の駅がありました。

 あらためて、山口県道270号の正式名称は「山口県道270号田耕湯玉停車場線」という、鉄道の駅へ向かう目的で整備された県道です。ついに駅へ着いた、つまり終点の湯玉駅か! と思いきや、ここは同じJR山陰本線の1つとなりの駅「宇賀本郷駅」でした。

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県道270号は、国道191号との重用区間に入り、つまり県道270号の存在が消えてすぐ「宇賀本郷駅」のすぐそばまで着く。ちっちゃくてかわいい宇賀本郷駅の駅舎がすぐ先に見える。ここが停車場線たる県道270号の終点かと思いきや……

 そうです。県道270号は「宇賀本郷駅」を華麗にスルーします。そして、国道191号に存在を隠されたまま山陰本線と並走し、ひっそりと終点の湯玉駅へ至るのです。

 終点は宇賀本郷駅でいいのにと思います。なぜなのでしょうね。県道270号のルートを外れて、宇賀本郷駅に寄り道してみましょう。


のどかで誰もいなかった宇賀本郷駅。でも、パァァと開けた海の見える絶景が広がっている

絶景と郷愁が融合

 宇賀本郷駅は上下列車のすれ違いができない1面1線の小さな無人駅です。駅舎も、駅舎というよりは待合室の様相で、乗客は道から直接ホームへあがり、列車に乗るイメージです。鉄道に詳しい人ならば、駅の規模感や役割が分かると思います。

 JR西日本の資料によると、2020年度の1日平均乗車人員は2人。筆者が訪れたときにちょうど小串行きの列車が停車していましたが、ここで乗る人、降りる人はいない様子でした。


味のある宇賀本郷駅の駅名標。となりは「湯玉」駅

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