『映画秘宝』の“編集長が公式Twitterで悪質DM事件”、制作元が「事実経緯のご報告」 2021年に発生したトラブル(1/2 ページ)
個人宛に「心の底から深く深く心が傷つき」「死にたい」などと送ったトラブル。
2021年1月、雑誌『映画秘宝』で起こった「同誌に批判的な意見を述べた個人に対し、雑誌の公式Twitterアカウントから“恫喝的発言”がDM(ダイレクトメッセージ)が送付される」というトラブル。この件について「発覚から現在までの経緯」を説明する文書が、同誌の制作を手掛けていたオフィス秘宝のブログ上で公開されました。
※『映画秘宝』は現在、休刊しているが、noteやTwitterの運用が続いている
2021年1月25日、『映画秘宝』に批判的な意見を述べた個人のTwitterアカウントに対し、編集長・岩田和明氏が同誌の公式Twitterアカウントから「今、心の底から深く深く心が傷つき、胸が張り裂けそうなほど大きなショックを受けて、死にたいです」といった文面を送付していたことが発覚。
さらに、岩田氏がそのDM受信者に直接電話して連絡を取る、ネット上でDM受信者を批判する声があがるなどの事態が続き、物議を醸しました。今回発表されたブログ記事は、オフィス秘宝代表を務める田野辺尚人氏がこの一連の出来事について説明したものです。
同記事によると、オフィス秘宝は『映画秘宝』の刊行継続のために、岩田氏、田野辺氏の両名によって設立された合同会社。田野辺氏がうつ病など健康面でのトラブルを抱える一方で、「岩田氏の専横」が常態化し「岩田氏と私、フリー編集スタッフの間には、それぞれ確執」があったとしています。
個人に対する悪質なDMについて、岩田氏は当初「第三者の不正アクセスによるもの」と説明していたものの、聞き取り調査の結果、実際には「岩田氏自身が送ったもの」と判明したとのこと。その後も、同氏が「周囲に一切知らせないまま」DM受信者に直接電話で連絡を取る、オフィス秘宝の監督下で謝罪文を作成することになっていたにもかかわらず、単独行動で謝罪文を発表する、といった行動が続いたということです。
また、1月26日には『映画秘宝』公式Twitterアカウントでは田野辺氏、町山智浩氏、柳下毅一郎氏らの名義で改めて「謝罪説明文」が発表されましたが、これについても「(編集部注:『映画秘宝』発行元の)双葉社との協議を待たず、弊社の独断で」行われたものであり、「岩田氏と直接のやり取りを強いられ、すでに多大な精神的負荷を受けていたDM受信者の方に、同文書の発表でさらなる衝撃を与えてしまった」としています。
これら一連のトラブルの背景として、文書内では「心身の不調により、田野辺氏の判断能力が低下していた」という旨の説明が散見されます。同氏は、自身の健康上の問題を「言い訳に使うつもりは全くありません」としつつも、「いくつかの重要な局面において然るべき判断ができていれば、DM受信者の方にも読者の皆様にもご迷惑をおかけすることはなかったのではないかと、今でも考え、反省しております」と述べています。
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