友達の体に突然ウロコが生えて…… 人魚になった友達を“飼う”漫画が恐いながら引き込まれてしまう(1/2 ページ)
夏休みの間の怖くて美しい出来事です。
※2022年にねとらぼに掲載した記事から、特に読者の反響が大きかったものをご紹介します。記事内の情報は一部更新しました(初出:2022年6月17日)
友達が突然人魚になった……人でなくなった少女とその世話をする少女を描く漫画「適者生存」が「ちょっと怖いけど綺麗」「引き込まれた」と多くの読者を魅了しています。作者は漫画家の冬虫カイコ(@magomaggot)さん。
夏休み初日に突然ウロコが生えて歩けなくなったミナミ。友達のナギサは彼女を学校で見つけ、プールへと運びます。ミナミに毎日食べ物を運ぶナギサですが、ミナミはウロコが増え、やがて人間の食べるものを受け付けなくなってしまいます。
困った末に、学校で飼っている金魚をミナミに与えたナギサ。金魚は彼女の口に合ったようで、ナギサはその後も金魚を与え続けます。ミナミのウロコはさらに増え、足は魚のしっぽのように。そして夏休みが終わりを迎え、学校の金魚も尽きたそのとき、ナギサは「生き物を飼うときは最後まで面倒を見るように」という教師の言葉を守るべく、ミナミに対してある行動に出ます――。
次第に人ではなくなっていくミナミ。しかし変わっていくのは彼女だけではなく、ナギサもまた、彼女に与える食べ物を「エサ」と考えるようになっていきます。ナギサにとってミナミは友達なのか、「飼っている」何かなのか……夏休みが終われば消えてしまうその関係は、恐ろしくもありつつ、はかなさや切なさも感じられます。
「適者生存」は冬虫さんの短編集『君のくれるまずい飴 冬虫カイコ作品集』に収録。冬虫さんは現在、このお話を原型とする『みなそこにて』をwebアクションで連載しており、1巻と2巻を販売中です。そのほか、短編集の『回顧 冬虫カイコ作品集』(ジーオーティー)も刊行しています。
作品提供:冬虫カイコ(@magomaggot)さん
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