「タダでいいのか」「わかりやすい」 無料で読める“映える”食事の撮影ガイドが話題 作成したのは政府系金融機関(1/2 ページ)
Webで無料公開されている、飲食店向けの「映える」撮影テクニックガイドが分かりやすいとTwitterで話題になっています。作成したのはなんと日本政策金融公庫。制作のいきさつについて聞いてみました。
Twitterで話題になっているのは、政府系金融機関である日本政策金融公庫のWebサイトで公開されている「売り上げアップに繋がる写真の撮り方ガイド(飲食店編)」です。
飲食店の売上アップを目的として作られたもので、ビールや刺身、パスタといった食材の写真をWebサイトやSNSなどに公開するとき、より「映える」ように撮影するための具体的な光の使い方や、「おいしそう」と顧客の心理に訴えかけられる撮影角度などのワザが分かりやすくコンパクトに解説されています。アンケートデータなどにも裏打ちされた現場の声も記載された内容です。
この内容に飲食店経営者などから「いつも考えてることが……まとまってる!!」「基本が分かってとっても良かった!」「めちゃめちゃわかりやすいし優秀なんだけど!? これほんとにタダでいいのか!!」と、役に立ったという声が多く寄せられています。食品の撮影の他に、フリマアプリの出品にも応用できそうなプロのテクニックも多く盛り込まれています。
話題となっているこのガイドを公開したいきさつについて、日本政策金融公庫にきいてみました。
――このガイドブックを制作した経緯を教えてください
日本政策金融公庫 公庫は国の施策のもとで民間の金融機関の補完的な位置づけとしてさまざまな事業への政策融資を行っています。このガイドはコロナ禍で飲食店経営者の皆様が売り上げ作りに苦慮されているという切実な声を多く伺い、お役に立てる情報発信はできないかとおととし(2020年)に作成し公開したものです。
制作にあたり「写真の撮り方」に着目したのは、グルメサイトやSNSなどの販売促進ツールにおいて、写真の撮り方ひとつで大きく売り上げが変わるという要素をお伝えしたかったからです。
――無料で公開されていますがどんな反応がありますか?
日本政策金融公庫 飲食店の方からこの冊子を参考にしたら「本当においしそうに撮れたよ」という声をいただけました。このガイドはMBA(経営学修士)を持つプロカメラマンとして活躍されている石田紀彦さんの監修のもと、どうすれば売り上げにつながる撮影ができるかをテーマに作成されたものです。スマホで商品を撮影される場面も多いと思います。商品撮影が初めての方でも、簡単な機材でもプロの撮影のワザを応用できるように、光の使い方や具体的なグラスや皿の配置方法も盛り込みました。
このガイドはネット上での無料公開だけでなく、紙の冊子としても当初2万部用意したのですが、反響が大きくその後計7万部を増刷しました。多くの方に参考にしていただけてうれしいです。
――ほかにどんな取り組みをされていますか?
日本政策金融公庫 主な業務は事業に関する資金のご融資となりますが、サービス向上の一環として飲食店経営に役立つ情報の発信にも力を入れています。話題になっている「写真の撮り方ガイド」の他にも、直近では売り上げにつながるメニュー表の作り方や稼働率向上の視点からまとめたものも公開しています。経営の参考にしていただければ幸いです。
日本政策金融公庫ではコロナ禍を生き抜く飲食店を応援すべく今後もこういった情報発信に取り組みたいとしています。
公式サイト上では他にも外国人旅行者への対応マニュアル、パートやアルバイトの定着について参考となる経営者へのアドバイス資料も無料で多く提供されています。
画像提供:日本政策金融公庫
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