動物保護団体代表のパワハラが常態化、保護子猫の葬儀で怒鳴り声―― 連鎖退職の理由を元スタッフが告発(前編)(2/3 ページ)
元スタッフと関係者に取材しました(前編)。
Dさんはこう証言する。「Aさんと当時いたスタッフが罵倒されているところを見ていました。代表はとにかく機嫌がいい日と悪い日の差がすごく、まるで別人のようでした。双子なのでは、と思う日もあったんです。機嫌が悪い日はスタッフに文句をつけられるところを探すんです。『ホコリがたまってる』『なんでドアが開けっ放しなんだ』『この荷物置きっぱなしで邪魔』と理不尽に怒鳴って、物にあたる。それにひたすら謝っている状態でした」
Dさんは代表のパワハラによるストレスと、ある出来事がきっかけで退職を決意。それは、フィラリア症にかかった犬をSPAが引き取ったときのことだった。ある日その犬が吐血したため動物病院に行くと、「フィラリア症の予防薬を飲んだ際のアナフィラキシーショックの可能性が高い」と診断された。
その後、獣医師から「もうそろそろ薬は不要になる」と言われたが「もし咳をしたらすぐ知らせるように」と指示された。しかし、その次の日に咳をする犬を見たDさん。店舗にいた齋藤代表に報告しようと思ったが、「代表の機嫌が悪かったら怒鳴られてしまうかもしれない」と躊躇した。
迷ったDさんだったが、翌日は犬が予防薬を飲まなければいけない日だったため、もしまたアナフィラキシーショックが起きてしまったら、犬の生死に関わる。そこでBさんは齋藤代表に「咳をしていますが、明日薬を飲ませても大丈夫ですかね?」と聞いたが、齋藤代表は「咳が出たからどう思うの? たかが咳でしょ?」と返答するのみで、来客対応のため会話が終わってしまったという。
このまま齋藤代表に相談しても話が進まないと思ったDさんは、その日休みだったAさんに電話で相談。Aさんが翌日、薬を飲ませる前に獣医師に相談することになり、結局犬は予防薬を飲まないことに決まった。
Dさんは「もしこの子が予防薬を飲んでいたら、再度のアナフィラキシーで死んでしまっていたかもしれない」と怖くなり、「もしまた同じようなことで、代表の機嫌を伺ってちゃんと相談できずに判断を誤ってしまったら。いつか犬猫を殺してしまうかもしれないなら、ここをやめたほうがいい」と思い詰めるように。泣きながら心療内科を受診し、「ストレス性反応」と診断された。Dさんは受診した次の日、退職願を提出した。
退職に関する連絡と、齋藤代表のパワハラやフィラリア症の犬に関する意見をDさんが送ると、齋藤代表から「精神の病の方とお話しするのは初めてで、○○さんの言ってる意味が全然理解できないですが、ラインで吐け口できてスッキリしましたか?」「○○さんの知識を全否定した腹いせですか?」と返信がきたという。
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