隠れんぼのさなかに別れたままの幼なじみ、10年ぶりに再会して…… さわやかなようで不穏な物語にゾクリ(1/3 ページ)
確認しなければ確定はしません。
あなたには「小さな頃から一緒に遊んでいて、今でも関係が続いている友達」はいるでしょうか。もしいるのであれば、その友情は一生ものになるかと思います。できるだけ大切にしてください。
今回ご紹介する作品は、十年ぶりに再会した男の子と女の子のお話で……それだけを聞くとさわやかな物語とも思えますが、どうにも不穏な雰囲気がたちこめています。
漫画の作者は的野アンジ(@matonotoma)さん。この作品は的野さんの著書『僕が死ぬだけの百物語 第5巻』に収録されています。
男の子と女の子は、いつも仲良く一緒に遊ぶ間柄なのですが、この日は様子が少しだけ違います。実は男の子が引っ越しをするため、この日はふたりで遊べる最後の日なのでした。
最後の遊びは男の子を鬼にした、かくれんぼに決まります。女の子は「今日は絶対に見つかりたくない、見つかったら本当にさよならしないといけない」と考え、危ないとは思いながらも冷蔵庫の中に隠れます。
しばらく後、男の子は冷蔵庫を見つけるのですが……その中で女の子が泣いていることに気がつきます。そして男の子は冷蔵庫を開けることなく「ごめんね」と声をかけ、思い詰めた様子でその場を立ち去るのでした。
その様子に気がついた女の子は、冷蔵庫を出て追いかけようとするのですが、ドアが重すぎて開けず、外に出ることができません。そして……。
……時間は流れて10年後。男の子は女の子と過ごしたこの街に、ふたたび引っ越してきます。10年ぶりということもあり男の子の記憶は曖昧でしたが、仲のよかった女の子のことだけはしっかりと覚えていて、ふたりで最後に遊んだ、後悔の残る「あの場所」へと向かいました。
やがて男の子は、女の子が隠れた冷蔵庫のある場所へとたどり着きます。するとそこには、まるで男の子が来ることを予知していたかのように、美しく成長した女の子の姿があったのでした。
あの日に冷蔵庫を開けられず、面と向かってしゃべれなかったことを謝る男の子。その理由を理解している女の子。ですがこの後、物語は少しずつ不穏な雰囲気に覆われていき……さまざまに考えられる不思議な結末は、漫画を読み進めてお確かめください。
作品提供:的野アンジ(@matonotoma)さん
記事:たけしな竜美(@t23_tksn)
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