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プロが教える「ブロッコリーの火の通し方」が参考になる 見た目も色鮮やかに(1/2 ページ)

飲食店経営者歴14年目、料理人歴20年目の岩野上幸生さんによるYouTube動画。

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 知っていると見た目の美しさやおいしさなどに差が出る、ブロッコリーの洗い方や火の通し方についての動画がYouTubeで好評です。再生回数は200万回を超え、多くの人が調理に役立てていることがうかがえます。

調理器具の使い方や、ボウルに水を入れる時の飛び散らない方法など、調理の基本も伝授

 料理人歴20年目の岩野上幸生(いわのうえ こうせい)さんが、YouTubeチャンネル「飲食店独立学校 /こうせい校長」で紹介したのは「意外と知らないブロッコリーの火の通し方」です。

色も形もちがうのは、なぜ?

 動画はまず新鮮なブロッコリーの選び方からスタート。花を咲かせる前のつぼみの状態を食べるブロッコリーは、つぼみがまだ固く閉じていて、房同士が密集していて、黒ずんでなくて、形がこんもりしていて、濃い緑色のものを選ぶと間違いないとのこと。また、茎に葉っぱがついていると栄養が取られてしまうので、処理されているものを選ぶと良いそうです。

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ブロッコリーを選ぶところから、すでに調理は始まっている

 次は洗い方。ブロッコリーは水分の蒸発や雨や病気から身を守るために、表面をブルーム(果実)というもので覆っているので、直接水をかけると弾いてしまい内側までうまく洗えません。そこで、ボールにはった水にブロッコリーの房を下に向けて入れてねじり洗い。中まで入り込んでしっかり洗えます。

ねじり洗いをした後で浮いてくる白くて脂っぽいものは農薬ではなくてブルーム

 キレイな水で表面をざっと洗い流した後に、ボウルも水洗い。再びボウルに水をはってブロッコリーの房を下にして入れて、浮いてこないように小さなざるで固定したら10分間沈めておきます。こうすることで、中にいた虫が空気を求めて浮かんでくるとのこと。10分経ったら水から取り出し、念のためにさっと表面を洗い流します。

房の間に潜む虫を取り除くために水に付け込みます

 続いてはカットの仕方。葉っぱを切り、外側の茎の根元から1つ1つ切り取って房を切り分けます。中心部分はまとめて切り落とし、先にカットしたものとだいたい同じ大きさにカット。ある程度の大きさにそろえておくと、均一に火が通せて色も安定するそうです。茎も乾燥している切り口を切り、厚めに皮をむき、他のブロッコリーと同じ大きさにカット。袋に水を入れて振り洗いし、最後に密集している房と房の間の汚れや虫を取り除きます。

房を切り分ける時は、小回りがきくペティナイフを使うと作業がしやすいそうです。茎のでっぱりや太い部分の根元の皮は口に残るので取り除くなどして、形を整えます

 動画では実験として、ブロッコリーを2つに分けて別の方法で火を通しています。まずは、処理をせずに水からゆでる方法。ブロッコリーに火が通りお湯から取り出すまでにかかった時間は11分30秒。お湯は黄色っぽく濁っており、これは長い時間ゆでていたブロッコリーから出た色素成分だと言います。

長時間お湯につけていたことにより、ブロッコリーの緑色の色素成分「クロロフィル」が抜けています

 今度はきちんと処理をして火を通します。塩を入れたたっぷりの水を沸騰させ、鍋の上にのせた網にブロッコリーを並べ、ボウルでふたをして蒸します。その後、蒸したブロッコリーを30秒間ふたをせずゆでます。

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蒸して加熱することで、水溶性のビタミンCなどの栄養素や色素成分や旨みが抜けにくくなるので、栄養満点で旨みが濃い仕上がりに
緑色の色素、クロロフィルには熱と酸に弱い性質があります。たっぷりのお湯を使うのは食材を一気に入れた時にお湯の温度が下がり長く加熱することになるのを避けるため。塩を入れるのは、ナトリウムにえぐみを抑え、ビタミンCなどの栄養素を残りやすくする効果があるのと、塩が水の沸点を上げるためクロロフィルが分解される前に高めの温度で素早く茹でることができるから

 火が通ったらすぐ冷水に落とし、栄養素などが抜けないように冷めたらすぐに水の中から取り出して房についている水分をしっかりきります。

クロロフィルは熱に弱いので、冷水で急速に冷まします。水は痛みの原因になるので、冷えたら房を下にしてザルに置きます

 この2段階に分けた火の通し方は幸生さんいわく「おそらく史上初の火の通し方だとおもいます」。蒸すだけだと青臭さが残り、茹でるだけだと栄養素や色や旨みが抜けやすくなるという理由から編み出された「蒸すとゆでるの利点を最大化」できる方法とのこと。ブロッコリーは季節や産地や状況によって加熱にかかる時間が変わるので、ゆで時間の30秒は変えずに、蒸し時間を2分15秒~2分45秒位の間で調整してあげるといいそうです。

右が処理をしたブロッコリー、左が処理をしていないブロッコリー

 処理をしたブロッコリーと処理をしていないブロッコリーを並べて比べてみると、処理していない方は形がいびつで、色がかなり抜けています。一方、処理した方は形がきれいでかなり色鮮やか。試食でも違いは歴然で、処理していない方は食感がなくなっていて、青臭さが際だっているなど本来のおいしさが失われているようですが、処理をした方のブロッコリーは、歯ごたえがコリコリシャキシャキしていて旨みがものすごく濃厚とのことです。

 幸生さんが投稿した動画には、「これまでは何となく美味しいブロッコリーの作り方でやったが丁寧に説明していただきありがとう!理屈、理由が分かればめんどくさがらずにちゃんと作るようにします!」「化学的で素晴らしい 理にかなっていて素晴らしい 料理が苦手だけどこれだと楽しく応用の効く料理ができそうです」「減塩目的で塩を入れずにブロッコリー茹でてたけど、塩茹でするのには科学的根拠があったんですね」など、方法だけではなく、「なぜそうするのか」という根拠も教えてくれているのが良いという声が多数寄せられていました。

 また、「ブロッコリーのことだけ教えてくれるのかと思ったらボウルの水の注ぎ方とかすごい細かい調理の注意点までたくさん教えてくれて最後には個性の活かし方まで教えてくれて盛りだくさんの動画でびっくりしたし楽しかったです」「ブロッコリー以外の正しい姿勢が丁寧すぎて水張る時の飛び散る注意点は笑っちゃいましたがすごく親切でわかりやすかったです◎!!また見に来ます!!」など、調理の基本について教えてくれるのが良いという声も。

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 さらに、「ブロッコリー農家です。こんなにも大切に料理して頂けると嬉しいです!虫ゼロにしたいですが、あの形状なので、なかなか難しいです」という喜びの声までありました。

 幸生さんは、YouTubeチャンネル「飲食店独立学校 /こうせい校長」でさまざまな調理のコツやレシピなどを紹介。Instagramではさまざまな料理や食材の知識を披露しています。2021年には『プロのコツでいつものごはんが100倍おいしくなるレシピ』(KADOKAWA)が書籍化されました。

動画提供:岩野上幸生さん

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