ロック様がまるで白人! 仏のろう人形が“ホワイトウォッシュ”と物議、美術館が修正対応へ「間違えてしまった」(1/2 ページ)
デヴィッド・ベッカムみたいなロック様。
仏パリにあるろう人形館「グレヴァン美術館」で新しく制作された、元プロレスラーで米俳優の“ロック様”ことドウェイン・ジョンソンのろう人形が「まるで白人のよう」だとSNSで話題に。ロック様が10月22日にこの話題を取り上げて「美術館と連絡を取る」とコメントしており、美術館は騒動後のInstagramで「間違えてしまったかもしれない」と認め、ろう人形が「修正中」であると明かしました。
10月初旬にドウェイン・ジョンソンの“白い”ろう人形がSNS上で話題になると、コメディアンのジェームス・アンドレ・ジェファーソン・ジュニアがInstagramへ動画を投稿。
「ロック様をデヴィッド・ベッカムみたいにしようとしている」「ロック様がロイヤルファミリーの一員になろうとしてるかのようだ」など、まるで白人のようであると皮肉った上で、「君たちがリトル・マーメイドを失ったときの気持ちがわかるよ」とも指摘。黒人の俳優ハリー・ベイリーがディズニーの実写版映画「リトル・マーメイド」で主演した際、人魚姫の“肌の色”を巡って議論を呼んだ件に言及しました。
ロック様は当該動画を再投稿。リトル・マーメイド発言には「腹を抱えて笑った」と大笑いする顔文字を添えてコメントし、「グレヴァン美術館の友人たちには俺のろう人形の重要な個所を“アップデート”し改善するためチームが連絡を取るつもりだ。まずは肌の色からだな」と直接連絡を取る意向を明かしており、「次にパリへ行ったら立ち寄って、俺自身と一杯やるつもりだ」とユーモラスな調子で結んでいます。
本当にロック様から直接連絡が入ったのか、グレヴァン美術館はその後、英語と仏語の字幕入りで経緯を説明する動画をInstagramに投稿。ディレクターのイヴ・デルオモーは動画の中で、「数週間前にドウェイン・ジョンソン(のろう人形)を光の下に置いてみたときとても驚きました。肌色が明るすぎるように見えたのです」「それで突如、私たちは間違えてしまったのかもしれないと思いました」と、肌の色が白人のように仕上がってしまったのはわざとではなくミスだったと釈明。
ロック様には多くのファンがおり、特にアメリカではSNS上で相当な反応があったとし、「ワックスペインティングはとても複雑なもの。油絵のように長い道のりです。 ここでは写真から肌のきめに取り組んでいます」と修正中の様子も公開。
「写真によって見え方が全然違うのです」と“肌が白くなってしまった”原因の1つと思われる理由に言及し、職人にとってはとても大変な作業になるが、人物を正確に表現しすばらしい出来上がりになるよう完成度を高めていくとしました。
有名レスラーの家系に生まれたロック様ですが、母親がサモア人で父親は黒人というルーツを持っていることは多くの人が知るところ。グレヴァン美術館は今回の出来事が偶然発生したものであると主張しましたが、SNS上では「彼らは黒人を白塗りしたいんだな」「ホワイトウォッシュの歴史が続いていく」など、意図的なものととらえるコメントも多数上がっていました。
本来白人ではない役柄に白人を起用してしまう、「ホワイトウォッシュ」のひとつであると疑われた今回の出来事。日本でも、2019年に日清食品ホールディングスがテニス漫画『新テニスの王子様』とコラボしたCMで、同作のキャラクターとともにテニスの大坂なおみ選手や錦織圭選手を描いた際、大坂選手の肌の色が錦織選手の肌の色と違いが分からないほど明るく描かれていたことが問題となった結果、CMを取り下げる事態に発展したことがあります。
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この問題は米ニューヨーク・タイムズ紙にも取り上げられていた。ハリー・ポッター舞台版、ハーマイオニーは黒人女優に 作者「白い肌と書いてない」
作者のJ.K.ローリングさんはハーマイオニーの特徴について「茶色の目、縮れた髪、非常に聡明。白い肌と明記したことはない」としています。なぜ? 米版VOGUE誌で日本人の格好で撮影された写真に批判、モデルが「文化を横取りした」と謝罪へ
「多様性」を打ち出した表紙も人種差別的だと批判されました。実写「リトル・マーメイド」「ブレット・トレイン」……物議をかもす配役のリアルな事情とは? ハリウッドのキャスティングディレクターにも聞いてみた
どの意見にも、それぞれのファンの真実がある。
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