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大のアニメ好きが選ぶ“もっと評価されるべき2023年アニメ”TOP20! 「贄姫と獣の王」「もういっぽん!」を押さえ2023年のランキングを統べた大傑作は……?(2/3 ページ)

秋の怪作も上位に食い込む。

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10位:AYAKA -あやか-

 「AYAKA -あやか-」は、ミタマという不思議な存在が生息する綾ヵ島を舞台にしたオリジナルアニメ。本土の児童養護施設で育った少年・八凪幸人が、傍若無人な青年・沙川尽義に連れ出され、故郷の綾ヵ島に10年ぶりに戻ってきたところから物語が始まります。本作については、尽義が急展開を迎える終盤の盛り上がりや、災害に立ち向かう人々の描きに評価が集まりました。

 なお本作に登場する造語の形容詞「あやかい」は、公式サイトによると、「綾ヵ島の伝統的な方言のようなもの。『嬉しい』『楽しい』『凄い』『驚いた』『ひどい』などさまざまな喜怒哀楽を表現する際に用いられ、事あるごとに島民が口にする」とのこと。未視聴の人にとっては「なんのこっちゃ」かもしれませんが、見終えた人の多くは「あやかいな~」と言いたくなる作品であり、「独自の文化を持つ島を訪れた少年が、その言葉とともに島の生活に根付くことを丁寧に描いた本作を象徴するワードとして育て上げ、それを最終回で鮮やかに示す手法に惚れ惚れした。そんな今年もっとも評価すべきワード『あやかい』が流行語大賞にノミネートされなかったことは大変残念」という熱量の高いコメントもありました。

9位:好きな子がめがねを忘れた

 「K」シリーズや「ハンドシェイカー」などで見られたスタイリッシュな絵作りでアニメファンを虜にしたアニメ制作会社・GoHands。2020年代に入って同社はやや存在感が薄まっていましたが、今夏「デキる猫は今日も憂鬱」とともに復活の号砲を鳴らした「好きな子がめがねを忘れた」が9位となりました。

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 これまでアクションものが多かったGoHandsですが、本作はなんと中学生同士のラブコメ。しかもPVを見てもわかる通り同社の過剰演出気味な絵作りは変わらず(ちなみに「デキ猫」も同様)。その健在ぶりに多くのアニメファンが感激していました。なお“好きな子がめがねを忘れた”というネタだけで無限にシチュエーションを繰り出し続け、さらにふたりの距離を丁寧に縮めるラブコメとしての魅力も十分な一作です。

8位:BanG Dream! It's MyGO!!!!!

 さまざまなガールズバンドのドラマを描く「BanG Dream!」シリーズの最新作が8位にランクインしました。これまでのキラキラドキドキな作風と異なり、5人組バンドになる女の子たちが紡ぐシリアスでハードなストーリーに毎回ハラハラさせられ見守った人が多いようです。また「パンクやハードコアという最近は流行ってないジャンルを上手く昇華した音楽」や「これまで以上に表情が滑らかになり、女の子がかわいくなったキャラクターCGの進化」も高評価の一因となりました。

 特に第10話「ずっと迷子」のライブシーンは「間違いなくアニメ史に残る名ライブだった」「『この音とまれ!』の『天泣』以来、久しぶりにアニメで泣いた」など絶賛の嵐。さらに「圧倒的熱量がある作品。『フリーレン』ぐらいみんな観るべき。これを観ていない人は2023年何もアニメを観ていないのと同義」と言い放つ人までいるほど、熱狂的な投票が目立った作品でした。

7位:人間不信の冒険者たちが世界を救うようです

 冒険者パーティーを追放され、恋人にもふられた失意の軽戦士・ニックら、人間不審な4人の冒険者による再生の物語「人間不信の冒険者たちが世界を救うようです」。この“人間不信”がポイントで、メインキャラクター達にも独特の距離感があり、皮肉とウイットに富んだ会話劇が繰り広げられますが、そこから感じられる泥臭くも温かい、人間愛にあふれたドラマに心動かされた人が多数いました。

 また絵についても「コンテと演出は非常にレベルが高い」「奇才・いまざきいつきのフィルムを堪能できるぜい沢な一品。枚数を抑えながら印象的なカット割りとセンスの光るアニメーションが随所に見られる」と支持を集めています。

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6位:神無き世界のカミサマ活動

 今年も多数の異世界転生ものが制作されましたが、そのなかで最上位となったのが「神無き世界のカミサマ活動」でした。本作は異世界に転生した少年が、発揮できる力の大きさが信者の数と比例する「全能神」ミタマの信者集めに協力するというところから始まるファンタジーです(ネタバレ回避のため、深く踏み込めないのがもどかしい!)。

 本作の評価を支えたのが、1位の「冰剣の魔術師が世界を統べる」にも通じる、視聴者を楽しませようとするエンタメ精神。いろんな方面に際どいネタや、オープニング/エンディングテーマの効果的な使用くらいはお手のもの。違和感のあるCGや描写はギャグや重要な伏線として回収され、毎回とても長いサブタイトルは最終回にいたっては約350字(たぶん歴代のアニメでも「このヒーラー、めんどくさい」と並んで最長クラス?)。その独創的なアイデアの数々が、「限られた手札でこんなことができるんだ」「コンバインが出てくるだけでこれだけ腹を抱えて笑えるアニメに今後出会える気がしない」と感動を呼んだようです。

5位:絆のアリル

 春と秋の2クールに放送された、バーチャルYouTuber・キズナアイのアニメプロジェクト「絆のアリル」。本作はキズナアイに憧れてバーチャルアーティストを目指す少女・ミラクを中心に物語が展開するアニメで、丁寧にメインキャラクターを集めていった1クール目を経て、一気にキャラクターが増える2クール目に入ってからの伸びのすごさを多くの人がたたえていました。

 物語本編だけでなく、CパートやYouTubeでの展開なども含めた本作の特徴であるバーチャルアーティスト(≠Vtuber)について触れた投票も多く、「子供の将来の夢ランキングにYouTuberやVTuberが入る現在で、VTuberアニメとして完璧な立ち回りをしていた。子供が見やすい朝に放送していなかったのが惜しい」という意見が印象的でした。またVtuberに仕事として深くも関わっていた元専門家も「Vtuber×アニメのなかでは(『四月一日さん家の』に次いで)2番目によかった」とお墨付きを与えています。

4位:川越ボーイズ・シング

 大多数の作品が最終回を迎える前に回答が締め切られるため、秋クールのアニメは不利な本アンケートですが、この秋のオリジナルアニメ「川越ボーイズ・シング」が4位に食い込みました。本作はトラブルメーカーの元オーケストラ指揮者・響春男が顧問として率いる(実際はあまり率いていない)、川越市にある高校のボーイズ・クワイア部で展開する青春合唱コメディーです。

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 本作は個性的過ぎるキャラクターや選曲、そして先の読めないフリーダムなストーリー展開などの癖の強さに魅了された人が多いもよう。特にカオスな第8話、絵コンテ・演出・作画監督・原画を担当した武内宣之さんの手腕が光る第9話が人気でした。また「何を評価したらいいかわからんがもっと評価されるべき」「まだ放送中だけど、今期どころか今年一イチレベルの怪作であり、同時に名作になる気配もする」「センスオブワンダーという言葉はこのアニメを観て感情を動かされたオタクが生み出した言葉らしい」など困惑をうかがわせるコメントも多数。残念ながら最終話となる第12話の放送や配信の日付は未定となってしまいましたが、その結末に期待が募るばかりです。

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