大のアニメ好きたちが選ぶ“もっと評価されるべき2020年アニメ”発表 「放課後ていぼう日誌」「宝石商リチャード氏の謎鑑定」を抑えた1位は?(1/3 ページ)
カルト作「ジビエート」も上位に。
2020年も間もなく終わり。アニメ業界もさまざまな面でCOVID-19(新型コロナウイルス感染症)の脅威にさらされましたが、そんな状況下でも多くの新作が誕生しました。その中には2019年からブームが続く「鬼滅の刃」などの有名作に負けないほどの魅力を持つ作品も多数存在します。
本稿では、多数のアニメ作品から世評以上の名作を探るため、アニメを週25本以上視聴し続ける“アニメ好き”70人以上を対象に「2020年に放送された中でもっと評価されるべきアニメは?」というアンケートを実施。5作品まで挙げてもらってランキングを作成しました。“巣ごもり”が求められそうな年末年始のアニメ視聴の一助にどうぞ!
3位:放課後ていぼう日誌(4月、7〜9月放送)
『ヤングチャンピオン烈』で連載されている、小坂泰之さんによる女子高生釣りマンガが原作。主人公の陽渚たちが暮らす“芦方町”のモデルとなった熊本県芦北町が“令和2年7月豪雨”で被災すると、「ねんどろいど」キャラクターの購入を通じた寄付企画や展覧会での募金箱の設置といった支援を実施したことが話題に(関連記事)。また最近では、ふるさと納税の記念品として進呈されるクリアファイルやラッピング電車として同作が扱われました。
同作では釣りのマナーについてしっかり触れていることが琴線に触れた人が多かったもよう。「アウトドアものでマナー問題はお約束だけど、生態系や環境保護といったところまで踏み込んでいることを評価したい」というコメントもありました。とはいえ堅苦しい作品ではなく、「釣り未経験だけど、陽渚たちが楽しそうだったからこの夏にやってみた」「放送翌日の夕食は作中に出てきた魚になるくらいに見入った」と、美少女の日常ものや部活ものを得意とする動画工房らしいほのぼのした空気感や丁寧な釣り&料理描写を楽しんだ人も見られました。
2位:宝石商リチャード氏の謎鑑定(1〜3月放送)
集英社 オレンジ文庫から刊行されている小説が原作の“ジュエルミステリー”。美しき宝石商のリチャードとうかつな大学生・中田正義のコンビが宝石に絡んださまざまな騒動を解決していきます。
毎話しっかりと面白い宝石絡みの謎解きと並行して、どんどん進展していくリチャードと正義の関係性が印象深かったようで、2人を「2020年のベストカップル賞!」とする評も。また癖の強いゲストキャラクターたち、特に最終盤で登場した正義の父親のインパクトの強さに触れた人が多かったのも印象的。「女性向けと思わがちな作品だけど、絶対に男性でも楽しめるはず」という一作でした。
1位:ID:INVADED イド:インヴェイデッド(1〜3月放送)
「Fate/Zero」や「アルドノア・ゼロ」を手掛けたあおきえいさんが監督を、小説家の舞城王太郎さんがシリーズ構成・脚本を務めるオリジナル作品。殺意によって造られる仮想世界「イド」で得たヒントから、現実世界の殺人事件を解決していく異色のSFミステリーが、もっと評価されるべき2020年アニメランキングの1位となりました。
「今年一番次回を待ちきれないワクワク感があった」「繰り返し見たくなる伏線の多さに感服」「最初は全く意味が分からなかったけど、毎週設定を理解させながら謎を解いていき、最後にはしっかりと全ての問題を解決して驚いた」とストーリーテリングの巧みさを評価するコメントが多数。「2周目が絶対に面白いから、絶対にこの年末年始に見直す!」との声も見られました。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- おっこが自分で気付き、成長していく過程が大事 「若おかみは小学生!」脚本・吉田玲子インタビュー
映画「若おかみは小学生!」の脚本を手掛けた吉田玲子さんにメールインタビュー。吉田さんの作家性にも迫っています。 - 相次ぐ春アニメ受難、「放課後ていぼう日誌」第4話以降が放送延期に
Blu-ray&DVD、CDも発売延期。 - 漫画『放課後ていぼう日誌』、豪雨で作者が被災 ファンからエール続々「無事でなによりです」「穏やかな日常が戻りますように」
「怪我はありませんが、執筆を継続できる状況ではない」とのこと。 - 「攻殻機動隊 SAC_2045」とは何なのか 神山×荒牧両監督へのインタビューから浮かび上がった“攻殻機動隊”
保守派のハードファンである記者が数々の疑問を聞いたスペシャルインタビューです。 - 宇垣美里インタビュー アニメ映画「羅小黒戦記(ロシャオヘイセンキ) ぼくが選ぶ未来」で感じたキャラクターを演じることの難しさ
映画は11月7日公開です。