「どうしてこうなった！」　“顎ニキビだらけ”でつらそうな猫→プロがお手入れすると……　驚きの仕上がりに感動「すっかり別猫のよう」（1/3 ページ）

　皮膚炎でお顔から足先まで真っ黒になってしまった猫ちゃんをお手入れする様子がYouTubeで話題です。動画は記事執筆時点で25万回以上再生されています。

プロのキャットグルーマーが皮膚炎の猫ちゃんをお手入れ

　動画を投稿したのは、YouTubeチャンネル「キャットグルーマーTV」。キャットグルーマーを養成する「キャットグルーマー協会」の代表理事・みーちゃん先生が、さまざまな品種や状態の猫ちゃんをお手入れする様子を公開しています（関連記事）。

　今回は、脂漏性皮膚炎のため、お顔や耳、足先が真っ黒に汚れてしまったエキゾチックショートヘアの「カープ」ちゃんをお手入れする様子を見せてくれるようです。

脂漏性皮膚炎のカープちゃん

　カープちゃんは当初、獣医師さんに「アトピーなのではないか」と診断されていたそうです。しかし検査をしたところ脂漏性皮膚炎（マラセチア皮膚炎）という、マラセチアという菌が繁殖してしまう体質を持っていることが判明。この皮膚病のため、お顔や耳がすぐに汚れてしまい、黒くなってしまうそうです。

　カープちゃんの状態を確認してみると、お顔や耳が黒くなっているほか、皮脂の多いところがはげてしまっています。また、触っただけで毛が抜けてしまう、非常にコンディションの悪い肌をしていることが分かりました。

　この日は皮膚病対策のためにしっかりとブラッシングをして、皮脂がひどくかゆそうな部分をそり、いつでも清潔にできるようにします。

　なお、カープちゃんは強いかゆみでお顔や耳に傷をつけないように、エリザベスカラーを付けています。マラセチアを治すためにシャンプーや薬浴もしており、サプリメントや処方されたアレルギーの薬を飲んでいるそうです。

お手入れスタート

　まずは爪を切っていきますが、よく見ると爪の周りの毛も茶色くなっています。その足先はガサガサで毛が抜けていて、なんともかゆそうです。その次は真っ黒になってしまっている耳の中にクリームを塗り、綿棒でやさしく汚れを拭い取ってケアをしました。

　みーちゃん先生によると、放っておいたところで全ての猫ちゃんの耳がこのように汚れるわけではないとのこと。耳が汚れる背景には、オイリーな体質、肌が弱い体質、免疫不全気味などのさまざまな理由があるのだそうです。

　また、数多くの猫ちゃんと関わってきたみーちゃん先生も、獣医師さんの診断を受け、対処法を聞いてから施術しているといいます。そのため耳の中が黒くなっているからといって「耳ダニかも？」などと安易に判断して治療をすることがないよう、猫ちゃんの体に異変を感じたときは、必ず獣医師さんの指示を仰ぐようにしてくださいね。

　続いて、いつでも清潔にしてケアできるように、足先やしっぽ、お尻周りの毛をカットしていきます。皮膚病の猫ちゃんはかゆみでご機嫌ななめになりがちなので手早く処置をしてあげたい、また皮膚病であっても残せる毛は残してあげてほしいと語りつつ、カットが終了。足先はしっかりと毛を刈りましたが、しっぽは先端だけ毛を残す形にしました。

広範囲に顎ニキビ

　続いて真っ黒に染まり、広範囲にニキビができている顎のケアをしていきます。ここまで状態が悪い場合は、まずクリームで優しく汚れを緩めていく必要があるそうです。最初からノミ取りコームなどを使うと、最悪の場合は皮ごと取れてしまう可能性があるのだとか……。

　みーちゃん先生によると、正常な皮膚にも菌はいますが、カープちゃんのように汚れがひどい場合は汚れを栄養にして、さらに菌が増殖してしまうとのこと。そのため獣医師さんに薬や専用のシャンプー剤を処方してもらい、プロにシャンプーを任せつつ、自宅でもケアをしながらゆっくりと治していく必要があるのだそうです。

　クリームで汚れを浮かせた後はお風呂に入れていきます。まずはお湯でお顔周りを洗っていきますが、シャンプーを入れる前からお湯が茶色くなっています。なんともかわいそうなことに、カープちゃんは数日でこの状態になってしまうのだとか。

　気持ちがいいのか大人しくしているカープちゃんのお顔を洗い続けると、だいぶきれいになってきました。その後シャンプーで全身の汚れを洗い流してから、マラセチアなどに効果がある医療用シャンプー「マラセブシャンプー」で全身を洗っていきます。

　本来はマラセブシャンプーで洗って終わりにしたいところですが、やや毛足が長いため毛玉ができて痛い思いをしないように、最後に軽くリンスをすることに。カープちゃんはそれほど体の大きな猫ちゃんではありませんが、あまりの抜け毛の多さからシンクの排水溝に毛が詰まり、お湯が流れなくなってしまいました。

仕上げ

　タオルドライの後はブラッシングしながらドライヤーをかけつつ、みーちゃん先生は皮膚病の猫ちゃんは1週間に1回くらいシャンプーをする必要があること、長毛の猫ちゃんは毛を短くしておいた方が楽になること、そのため遠慮なくキャットグルーマーの力を借りてほしいと語ります。

　最後に顔も清潔に保てるように毛をバリカンで短くカットし、体は羊カットにして施術が終了。最初の状態と比べると、カープちゃんの体は驚くほどきれいになりました。少しでも早くカープちゃんの皮膚病が治り、かゆみが引いてくれるといいですね。

　シャンプーから10日後のカープちゃんの様子を見てみると、アレルギーがだいぶよくなってきたようです。もっとかゆみが落ち着き、カラーもつけずに生活できる日が来ることが待ち遠しいですね！

「早くよくなりますように」の声

　カープちゃんのお手入れの様子に、コメント欄では「かゆいのは本当につらいよね……気が狂いそうになるよね……カープちゃん早くよくなりますように」「これは本当につらそうですね。早く良くなって、痒みやベタベタがなくなるといいですね」「脂性肌でとっても大変だと思うけどカープちゃんかわいく清潔にしてもらえてよかったね」「すっかり別猫のようにとっても美しくなりました」といった声が寄せられています。

　みーちゃん先生は、猫ちゃんたちのお手入れ方法をYouTubeチャンネル「キャットグルーマーTV」で紹介中。また、キャットグルーマー協会のX（旧Twitter／@NobleChaton）やみーちゃん先生のInstagram（@mihocatgroomer）では、猫ちゃんの美容相談会やキャットグルーマー育成の情報を発信しています。先生が愛用する道具などはキャットグルーマーショップで販売中です。

「キャットグルーマーTV」動画まとめ

動画提供：YouTubeチャンネル「キャットグルーマーTV」

（三日月 影狼）