サラリーマン、プリキュアを語る:脚本家・坪田文は、なぜキュアマカロンの「弱さ」を描いたのか? (1/3)
琴爪ゆかりさん、キラキラ☆プリキュアアラモードで「最も成長した」キャラですよね。
僕は少し、戸惑っていました。
「キラキラ☆プリキュアアラモード」第45話「さよならゆかり!トキメキ☆スイーツクリスマス!」。
この回ではキュアマカロン、琴爪ゆかりの「最後の成長」が描かれました。
「夢のために、留学する」
そんな結論に、僕は少し複雑な心境でした。
だって「琴爪ゆかり」は、そんなキャラじゃない。
ミステリアスで計算高くて、常に人よりも1枚上手。
そんな他人を圧倒する強くて美しい「琴爪ゆかり」はどこにいってしまったのか。
もっと「琴爪ゆかり」にしか到達できない結論があったのじゃないか?
ずっとそのことばかり考え、「とあること」に気付きました。
そうではなかったのですよね。
あの描かれ方は、圧倒的に、正しい。
そう思うようになりました。
「ゆかり回」を担当した脚本家、坪田文は、キュアマカロンをどう描いてきたのか?
少し、追ってみました。
kasumi プロフィール
プリキュア好きの会社員。2児の父。視聴率などさまざまなデータからプリキュアを考察する「プリキュアの数字ブログ」を執筆中。2016年4月1日に公開した記事「娘が、プリキュアに追いついた日」は、プリキュアを通じた父娘のやりとりが多くの人の感動を呼び、多数のネットメディアに取り上げられた。
- これまでのプリキュア連載一覧
坪田文さんによるキュアマカロン回
キラキラ☆プリキュアアラモード第45話「さよならゆかり!トキメキ☆スイーツクリスマス!」は、最後の琴爪ゆかり(キュアマカロン)回でした。
「普段とは違い、積極的な琴爪ゆかりに戸惑う5人。最後、琴爪ゆかりは皆の前で、茶道に合うスイーツを極めるために留学を宣言する」というお話が展開されました。
キラキラ☆プリキュアアラモードにおいて「琴爪ゆかり」回の脚本のほとんどは、脚本家、坪田文さんが書いています。
琴爪ゆかりが、坪田さんの手によってどのように描かれてきたのか、を追いながら「キュアマカロン」とはどんなキャラクターだったのか、を見ていきたいと思います。
まず、最初に断らないといけないのは、プリキュアに限らずどんなアニメーションでも、脚本家さんが一人でお話を考えているのではなく、監督さんや、シリーズ構成さん、場合によってはプロデューサーさんらを含めたたくさんの方々のアイデアでお話の流れや基礎が作られ、それを基に脚本家さんが詳細を形作り、まとめていくものである、ということです(……と聞いています)。しかも、場合によっては一度完成した脚本でも、コンテの段階で演出家さんや監督さんがセリフや構成を変える、ということもあるようです。
従って、「脚本家さん一人」で全てのストーリーが作られているわけではなく、どこまで脚本家さんの意志が反映されているかは分からないのですが、でもやっぱり、それぞれの脚本家さんによる「色」みたいなものはあるのではないかと思います。
坪田文、という脚本家
坪田さんは、多数のドラマ、アニメの脚本を手掛けている脚本家さんで、女児向けアニメーションでも「めちゃモテ委員長」など数多くの作品に参加しています。
しかし何といっても特筆すべきは「プリティーリズムシリーズ」です。シリーズ3作の多くの脚本を書き、かの名作「プリティーリズム・レインボーライブ」では、第40話から最終話までのシリーズ構成も務めています。
「プリティーリズム・レインボーライブ」の終盤の怒涛(どとう)の展開、超絶的な面白さは、坪田さんの手によるものも大きかったのだと思います。
プリキュアシリーズにおいては「魔法つかいプリキュア!」から参加し、「映画プリキュアドリームスターズ!」の脚本を書いた後、2017年キラキラ☆プリキュアアラモードでは、
第5話「きまぐれお姉さまはキュアマカロン!」
第8話「キラパティオープン…できません!」
第12話「敵は…モテモテ転校生!?」
第16話「キケンな急接近!ゆかりとリオ!」
第25話「電撃結婚!?プリンセスゆかり!」
第29話「大ピンチ!闇に染まったキュアマカロン!」
第45話「さよならゆかり!トキメキ☆スイーツクリスマス!」
といったキュアマカロン回を中心にした7話分の脚本を手掛けています。
個人的に坪田さんは、ずっとプリキュアの脚本を手掛けていた成田良美さん(Yes!プリキュア5(GoGo!)、ハピネスチャージプリキュア シリーズ構成)がプリキュアから離れて以降の、「女の子の情念」みたいな、ドロドロとしたものを比喩を交えて表現するのがうまい、みたいなイメージがあります。(ただ、「魔法つかい!プリキュア」第29話「モフデレラ回」など多くのギャグ回も手掛けています)。
そんな脚本家、坪田さんは、「キュアマカロン、琴爪ゆかり」をどのように描いていたのでしょうか?
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