家主の死、飼い主の入院、金銭問題――猫65匹の「多頭飼育崩壊」はなぜ起きたのか レスキューに立ち会ったボランティア団体が明かす“凄惨な現場”(2/3 ページ)
「多頭飼育崩壊」は深刻な社会問題
――多頭飼育崩壊を防ぐために、どのような方法があるとお考えですか
多頭飼育崩壊、特に猫の多頭飼育崩壊を防ぐことはとても難しいと考えています。なぜなら多頭飼育崩壊はどのような動物でも起こりうる問題ですが、特に猫の場合は家の中の問題であり、発見が遅れがちになるという特徴があるからです。
動物の多頭飼育崩壊を防ぐためには社会が常に啓発を行って早期発見する、あるいは多頭飼育をしている家に出入りしている人が注意すれば良いのでは? といわれることがあります。
しかし崩壊を起こしてしまう人は社会から孤立していたり、精神的な問題を抱えていたりするケースも多く、他者が関与することが難しいのが実際のところです。
また当事者の経済的な理由から不妊手術が出来ない、当事者が所有権を放棄しないという事例もありました。今までの事例からどのような案件も決して焦ることも感情を荒らげることもなく、当事者に向き合うことが大切だと痛感しています。
実は6月に埼玉県内で新たに2件の多頭飼育崩壊の案件が確認されています。こちらは担当市の行政により適切な対応が進められておりますが、多頭飼育崩壊とは、いつどこで発生してもおかしくないくらい深刻な社会問題だとあらためて感じています。
――不幸な猫を1匹でも減らすための、今後の活動についてお聞かせください
当会では捨て猫や多頭飼育崩壊は単に個人の問題でなく、社会・環境問題と捉えています。
従来であればボランティアがレスキューに入り、猫を保護して譲渡先を見つけます。しかしそれではボランティアのところに多数の猫が集まり、疲弊していくだけです。
2021年3月には環境省から民官を超えた多機能連携が必要という多頭飼育崩壊のガイドラインも発表されましたが、われわれも問題解決の主体は行政が担い、レスキュー実行の部分は活動者が行うという考えで活動しています。行政にも譲渡先を探す目的でのレスキューをともに行っていけるよう協力を求めています。
今後も県知事や県庁担当部署の生活衛生課に対して共同での活動を要請し、捨て猫や多頭飼育崩壊を少しでも減らせるように活動を進めていく予定です。
――猫の会の活動は、詳細を非公表にしているそうですが
当会は猫に関する活動を多岐にわたり行っておりますが、その詳細を公表はしていません。そのため外部から見ると活動していないように捉える方もおられ、今回のような案件では、「信頼に値する団体か分からない」といわれることもありました。それでも公表しない理由の1つは、依頼者のプライバシーを保護するためです。依頼者は地域社会の一員として生活しているため、護らなければいけないと考えています。
また、活動の詳細を公表することにより、われわれの活動を当てにして、活動場所に猫や動物を捨てる人や、餌だけを与えて不妊しない人が増える可能性も残ります。以上の懸念から、あえて公表はしないようにしています。
多頭飼育崩壊のレスキューに関しても毎年3件ほど依頼がありますが、全て飼い主さんが健在で、地道に不妊化しながら譲渡につなげる事ができたため公表はしてきませんでした。
今回の案件を公表したのは、他の多頭飼育崩壊のレスキューと違って、飼い主さんが精神、身体共に病状が悪化して退院の見込みが無く、猫たちの命を救うため一刻の猶予もなかったからです。救助する猫の数も多く、情報を公開して預かり場所の提供、物資のご支援など、皆さまのお力をお借りしながら解決に向けて活動しています。
ひとまず、全ての猫をレスキューできたことにはホッとしておりますが、引き続き譲渡会などで全ての猫に“ずっとのおうち”を見つけてあげることがゴールです。これからも、諦めずくじけずいきたいと思います。
(了)
多頭飼育崩壊がはらむ、さまざまな問題。未然に防ぐためには飼い主の意識、行政の指導など複数の要因が絡んでくる難しい案件であることが伝わってきます。
そんな中、多頭飼育崩壊の凄惨な現場をその目で見て、“やりきれない思いもたくさんしてきた”という猫の会のスタッフたち。それでも「1匹でも多くの不幸な猫を救うため全力で頑張る」……その思いで日々の活動に尽力している姿には尊敬の念が絶えません。
猫は繁殖力の強い動物で、計算上では1年で1匹から20匹に増加するといわれています(参考:環境省)。多頭飼育崩壊を防ぐため、そして不幸になってしまう動物や人が少しでも減るように「動物(特に猫)は室内で飼うこと」「不妊手術は大切で必要なこと」という認識が広がることを強く願います。
なお令和2年6月に動物愛護法が改正され、犬や猫の飼い主にはペットがみだりに繁殖して適正に飼育することが困難になるおそれがある場合、不妊去勢手術等により繁殖防止をすることが義務化されました(動物の愛護および管理に関する法律第37条)。
今動物を飼っている人もこれから飼おうとしている人も、あるいは飼いたいと考えている人も、この機会に動物の飼い方について改めて考えてみると良いのではないでしょうか。
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