生きたアユを追いかけるカワウソの展示が「野生モードが見れるってすごい」と話題 海遊館に話を聞いた(1/2 ページ)

コツメカワウソの新たな一面が見られます。

» 2022年04月22日 13時00分 公開
[三日月影狼ねとらぼ]

 Twitterに投稿された、海遊館(大阪府大阪市)におけるカワウソの展示方法が「見てみたい」「すごい!」と話題になっています。投稿は1万件を超えるいいねを獲得しています(4月16日時点)。

 水槽を泳ぐアユの群れを追いかけ、捕獲しようとしているのは海遊館で暮らしている「コツメカワウソ」です。コツメカワウソは東南アジアに生息するカワウソの1種で、野生では魚や甲殻類、カエルや小動物などさまざまな動物を捕まえて食べています。

飛び込むカワウソ 水槽に飛び込んできたコツメカワウソ
水面に向かって泳ぐカワウソ 自由自在に泳ぎ回ります

 動物が食事をする場面が見られる水族館や動物園は多いですが、狩りを行っているところを見る機会はなかなかないもの。しかし海遊館ではコツメカワウソとアユが同じ水槽内に展示されていることから、運が良ければコツメカワウソが狩りをするところ、そしてアユが天敵から逃げるところという、野生でもなかなか見られない場面を見ることが出来ます。

もう1匹のコツメカワウソ もう1匹のコツメカワウソがアユにアタック!
岩に隠れるコツメカワウソ 岩に隠れて……
岩から飛び出すコツメカワウソ ハンティング開始!

 “かわいい”だけではない、本能に基づいた野生的な一面が見られるこちらの展示を見ると、コツメカワウソについての理解が深まりそうですね。

 こちらのツイートには、「野生のリアルな一面を水族館で見られるなんて良いですね」「動物福祉的な観点から見てもとても良い展示」「後半手前に潜ってきたカワウソが岩に隠れて待ち伏せする姿がスゴイ」といった、たくさんのコメントが寄せられています。

ガラス面にくっつくコツメカワウソ すごい勢いで泳いでいることがわかります
ガラス面から水槽内に戻るコツメカワウソ 一度見てみたい!

 ねとらぼでは今回、このコツメカワウソの展示について海遊館に話を聞きました。

――今回話題になった海遊館「日本の森」のカワウソ展示はどのようなものなんでしょうか?

 担当者:海遊館の「日本の森」には本物の植物が生い茂り、水滴がコケを育んで、新緑の美しい景観を再現しています。日本にはかつて「ニホンカワウソ」が生息していましたが、1979年に記録されて以降、確実な生息情報がなく、すでに絶滅してしまったと考えられているんです。展示のコツメカワウソは本来東南アジアに生息している種類ですが、“ニホンカワウソが暮らしていた豊かな自然”を感じていただけるような生態展示になるように努めています。

 ちなみに生態展示とは、生き物だけを飼育展示するのではなく、生息環境をできるだけ忠実に再現し、そこで生き生きと暮らす生き物をご覧いただく手法です。

――アユと同居させているのは、どんな意図があるのでしょうか。

 担当者:アユを同居させているのも「カワウソが獲物を追いかける行動」を誘発させる生態展示の一環ではありますが、アユは生き餌ではなく、あくまで展示生物の1つです。コツメカワウソに対しては毎日飼育員がニジマスやワカサギ等を与えています。

 水槽内は、アユが元気に自由に泳ぎ回る広さと深さがあり、飼育に適した水温や水質が保たれるよう、LSS(ライフサポートシステム)と呼んでいる装置で常に循環しています。また、水槽内には、アユが逃げ隠れしやすいよう岩や木を配置し、夜間はコツメカワウソを別室に移動させ、アユが安心して餌を食べられるようにしています。

 アユは1年で寿命を終える年魚のため、通常3月頃から翌年1月頃まで展示しています。コツメカワウソたちも、この元気に泳ぐアユを闇雲に追いかけているわけではありません。岩場の陰に隠れて一気に飛び出したり、複数で協力して追い込んだりとさまざまな姿を見せてくれます。

――自然な姿のカワウソとアユが見られるんですね。

 担当者:はい。このような生態展示の工夫が詰まった「日本の森」は、海遊館スタッフがオススメするコーナーです。海遊館へお越しの際は、ぜひご覧になってください。

(了)

 担当者のコメントから、海遊館「日本の森」は特に生態展示に力を入れているオススメコーナーであることが伝わってきました。海遊館を訪れた際は日本の森で暮らすコツメカワウソやアユの行動はもちろん、他にもどんな工夫が施されているのかじっくりと観察してみたいですね。

 動画の投稿主・銀鏡つかささんは全国の水族館を巡りつつ、“水族館に行きたくなるような写真”を目指して撮影した写真をTwitter(@tsukarium)やブログ「水族館好きの水族館ブログ」に投稿しています(関連記事)。

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