らんちゅうの稚魚にゾウリムシだけを20日間与え続けたら……? 予想外の検証結果に「素晴らしい繁殖力」「とても面白い!」
動画を見ながら楽しく金魚とゾウリムシに詳しくなれちゃう。
Youtubeチャンネル「みんな〜アクアやろ〜よ!」に、金魚の1種「らんちゅう」の針子(稚魚)にゾウリムシを与え続けてみた検証動画が投稿されました。分かりやすい検証方法と結果が参考になるこの動画は、記事執筆時点で1.8万回以上再生されています。
投稿主のKOKOさんはアクアリストとして活動していて、自宅では海水魚やサンゴ、メダカや金魚、コリドラスなどさまざまな生きものを飼育しています。
そんなKOKOさんはこの日、飼育している金魚の1品種、らんちゅうの飼育に使用しているろ材を洗おうとしていました。いざろ材を取り出し、洗おうとしたところ……なんとろ材には、見渡す限り一面にらんちゅうの卵が産卵されていたのです。
ろ材の洗浄をする予定を急きょ切り替え、小さなろ材を1個1個確認し、卵を取り出す採卵作業に取り組むことになってしまったKOKOさん。卵は生まれてから数日が経過していたのか、採卵した翌日にはすでにふ化し、元気な針子が泳いでいたのでした。
実はKOKOさん宅では、2022年もらんちゅうが産卵をしたそうです。その際はハイグロウという人工飼料で針子(金魚やメダカの稚魚のこと)を育てたそうですが、餓死した針子も多かったとのこと。今年は検証を兼ねてゾウリムシだけを与えて針子を育ててみることにしました。
一般的に金魚の針子を育てる際はブラインシュリンプや人工飼料、ミジンコなどが使われます。しかしこのとき投稿主さん宅にはメダカの針子用に繁殖しているゾウリムシがいて、しかもそのゾウリムシが大爆増していたのです。ゾウリムシはたんぱく質が豊富で、メダカの針子のエサとして適しているといわれているのだとか。
KOKOさんは増えまくっているゾウリムシを活用したいという気持ちはもちろん、「メダカの針子に適しているのであればらんちゅうの針子にも適するのではないか」と考えられること、2022年は人工飼料で育てたところ餓死してしまった針子が多かったこと、ブラインシュリンプをふ化させるのは手間がかかることなどから、今回はこの検証を行ってみようと決めたのだそうです。
今回の検証では針子たちに負担をかけすぎないように「ゾウリムシを与えるのは20日を目安にすること」「ゾウリムシは朝・昼・晩の3回与えること」「ゾウリムシを与えた期間以降はハイグロウに切り替えること」の3点をルールに定め、実施することになりました。
早速針子たちにゾウリムシをあげてみると、元気よくバクバクと食べはじめました。日ごとに大きく成長していく針子たちのおなかは真っ白かつパンパンになっていて、どの個体もおなかいっぱいゾウリムシを食べていることがわかります。ちなみにこの白色はゾウリムシの色で、ブラインシュリンプを食べているとおなかがオレンジやピンクっぽくなるのだそうです。
そして迎えたゾウリムシ最終日。ゾウリムシだけを与え続けた針子たちは元気いっぱいに育ちました! むしろゾウリムシを食べすぎて食い倒れ状態になる個体もいるほど食いつきは良好で、成長するために必要な栄養も十分摂取できたようです。
結果的に、今回のケースでは人工飼料よりもゾウリムシで育てた針子の方が圧倒的に生存率が高いことが分かったのだそうです。
KOKOさんの分析によると、「どうやら1日3回ゾウリムシをまくことで常に針子の周囲に食べ物がある状態を維持できるため、餓死の可能性を大幅に下げることができたのではないか」とのこと。元気いっぱいなKOKOさん宅の針子たちの様子を見ると、ゾウリムシはブラインシュリンプや人工飼料よりも栄養価は低いものの、針子のエサとして使用できるものと考えて差し支えなさそうです(※全ての針子に当てはまるわけではありません)。
針子たちが元気いっぱいに育ってくれてうれしい反面、今後飼育スペースをどう確保するか頭を悩ませるKOKOさんなのでした。
こちらの動画には「稚魚可愛い 採卵から育成まで楽しそうですね」「らんちゅうの子どもたちの成長が気になります。また報告を楽しみにしています」「きめ細かい観察記録、ズーム映像もハッキリしててよくわかりましたよ」「すごいなー! 針子の成長が楽しい!」などのコメントの他、「メダカ用のゾウリムシが使えることが分かり良かったです。タイムリーな動画で為になりました!!」といった感想も寄せられています。
投稿主さんはYoutubeチャンネル「みんな〜アクアやろ〜よ!」とX(Twitter)(@koko50482745)、Instagram(@koko_min.aku)に、日々の活動の様子を投稿しています。
画像提供:Youtubeチャンネル「みんな〜アクアやろ〜よ!」
(三日月 影狼)
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