冷たい雨に打たれ、仮死状態の子猫を「お願い生きて」と必死にお湯につけると…… 歓喜の瞬間に感涙「本当に良かった」「すごい…凄すぎる」(1/2 ページ)
生きていてくれて本当に良かった。
雨の中倒れ、瀕死の状態だった子猫。「生きて」と懸命に処置を施す映像と、その後の子猫の様子を報告した動画がYouTubeに投稿され、合わせて61万回以上の再生数を突破(記事執筆時点)。「涙が出ました」「咄嗟に最善の対処 頭が下がります」と反響が集まっています。
瀕死の状態で保護された子猫
投稿者さんは、福井県福井市にある譲渡型保護猫カフェ「しあわせにゃん家」を運営。子猫が保護されたのは、2023年11月17日の雨の日のことでした。その日のお昼過ぎ、近くの大学に通う学生2人が、上着に子猫を包んでカフェに訪れます。学生によると「猫が落ちてた。死にそう」とのこと……。迎えたスタッフから連絡が入り、投稿者さんもカフェの受付に向かいます。
子猫の体は頭まで冷え切っており、両足はピーンと伸びきって硬直している状態。呼吸をしているのかも分からないほどで、瞳孔も開いているように見えたといいます。ほんの数秒が命取りとなる状況の中、投稿者さんは必死に思考を巡らせました。ぬれた体を乾かしている時間はない、ホッカイロであたためる時間もない……。そして脳裏に浮かんだのは“熱いお湯につける”。投稿者さんの愛猫も、3年前にそれで命を取り留めたのだそうです。
不安や恐怖、さまざまな感情でパニックになりながらも、投稿者さんは「頑張れ」と声をかけ続け、必死に子猫の体をお湯であたためます。口も目も開いたまま全く動かず、かすかに前足だけ震えていた子猫。その様子に「もうダメかもしれない。もうちょっと早かったら……」と悲痛な声がもれますが、「お願い。あったまって」「生きて」と子猫の回復を祈り続けました。
奇跡の回復を見せる子猫
しばらくすると、子猫は少しだけ眼球が動くようになり、シリンジで与えられたミルクを飲めるまでに回復。そしてドライヤーで体を乾かすと、ジタバタと動き始めます。「もう無理だ」と思っていたらところから、明るい兆しが見え始めたのです。
保護してから1時間後、子猫にごはんをあげると、がむしゃらにもぐもぐと食べてくれました。再びミルクをあげた際には、先ほどとは見違えるほど、積極的に舌をぺろぺろと動かし、瞳には生気が戻っています。子猫の「生きたい」という気持ちが感じられ、胸が熱くなります。そして2時間後には、喉をゴロゴロと鳴らすまで落ち着いてくれた子猫。「いのり」ちゃんというすてきなお名前をもらい、次の日にはうんちもばっちり。さらに保護から11日目を映した映像では、元気に「ニャー!」と鳴く姿を見せてくれます。
子猫部屋デビューを果たした「いのり」ちゃん
保護してから1カ月後、全ての検査を終えたいのりちゃんは、カフェ内の子猫部屋デビュー。サバトラの「らんぜ」ちゃん、キジトラの「きじ丸」くんと上手にごあいさつができました。そして2カ月後には、他の猫ちゃんたちと元気いっぱいに遊ぶ姿も。自分から果敢に飛び掛かっていき、瀕死の状態だったとは思えないほどのやんちゃぶりに笑みがこぼれます。実はおてんばな性格だったいのりちゃん、現在もスクスク成長中です。
「小さな命」を諦めなかった投稿者さんといのりちゃんにあたたかい声
いのりちゃんの体をあたため続けた動画には、「学生さんたちも、あの状態で諦めずよく連れて来てくれたし、ママさんもあの状態から消えそうな命を繋ぎてめてくださって……すごい……凄すぎる」「ママさんの生きての声、とても胸が詰まりました。この子が、生きようとしてくれて、嬉しかったです」「おかーさんの悲痛な叫びと硬直していた仔猫ちゃん、助かれ助かれとハラハラしながら見ていました。ミルクも飲み始めドライヤーで乾かしている時の動き出した時は画面見ながら『ヨシッ』と叫んでしまいました」といった声が続出。
また現在のいのりちゃんの姿には「なんの後遺症もなく元気に過ごしている姿を見てホッコリしました」「あの時もうダメだと諦めてたら今のこの子は存在しない……ほんとに、ほんとにありがとうございます」「こんなに元気になってくれるなんて……自分自身、同じような子と出会っても諦めてはいけないんだなと思えました」と、諦めない勇気をもらった人たちであふれていました。
殺処分ゼロを願い、保護活動を続ける投稿者さん。カフェの他にも、シェルターを2つ運営しており、常時90匹前後の猫ちゃんたちを保護しているそうです。投稿者さんの保護活動は、YouTubeチャンネル「譲渡型保護猫カフェしあわせにゃん家」で公開されています。
画像提供:YouTubeチャンネル「譲渡型保護猫カフェしあわせにゃん家」さん
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