ゴミを投げると、勝手にゴミ箱が走ってストップ、そしてキャッチ! ニコニコ動画で話題になった「勝手に入るゴミ箱」が、第16回文化庁メディア芸術祭の展示会にて展示されています。場所はメイン会場の六本木・国立新美術館、1階企画展示室。ゴミ箱の動く様子を実際に見られるデモンストレーションも、2月16日、17日、23日の各日午後2時〜午後5時に実施されます。
「勝手に入るゴミ箱」はエンターテイメント部門・優秀賞を受賞。展示コーナーには、デスクスペースとともにPC、kinect、動くゴミ箱らが置かれています。ゴミ箱を走らせるタイヤ付の台車を間近で見ることができるほか、ネットで話題となったゴミ箱の説明動画も上映中です。
製作した倉田稔(くらたみのる)さんが、展示室で実際にゴミ箱の動く様子を見せてくれました。紙クズを上へ放ると、50センチほどある落下地点までゴミ箱が1秒以内に移動し、ゴミをキャッチ。無機質なゴミ箱がゴミを拾いに走る姿がかわいらしく、つい笑ってしまいます。
なぜこんなユニークなモノを作ったのか、倉田さんにお話をうかがいました。
「ロボットなど、もともとモノを作るのが趣味でした。あるときゴミ箱に放ったゴミが外れて、ふと『ゴミ箱そのものが動いたら面白いじゃないか』と思いついたんです」
動くゴミ箱の発明で特に力を入れたのは、“タイヤ”と“ゴミの検知”の2点。3つのタイヤが同じ向きになるようベルトで連動させ、ゴミが放られた方向にすぐ向かえるようにしました。また、ゴミの落下地点をすぐ検知できるセンサーを試行錯誤。最終的にはゲームで使われるkinectに辿り着きました。
「今回の受賞はありがたかった一方、びっくりもしました。メディア芸術祭の受賞作品は美術系だと思っていて、動くゴミ箱のような“モノ”は選ばれないと思っていたので。ゴミ箱はもっとゴミを入れる命中率を改善させたいです」
ニコニコ動画やYouTubeでの反響にも驚いたという倉田さん。ゴミ箱以外の作品アイデアもあるらしく、できあがったらまた動画サイトに投稿したいとのことでした。ゴミ箱がどう進化するのか、次はどんなユニークなアイディアが飛び出すのか、今後も楽しみです!
芸術祭の受賞作品展は、明日2月13日から2月24日まで東京・六本木の国立新美術館などで開催されます。
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