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理化学研究所は、カメ類2種(スッポンとアオウミガメ)をゲノム解読した結果、トカゲではなくワニやトリ、恐竜に近い進化的な起源を持つと発表した。しかも、約2億5000万年前の生物大量絶滅期前後にその祖先が登場したことも突き止めた。
研究では、脊椎動物に共通な「基本設計」を一度つくりあげてから、そこから甲羅などの特殊な構造を作る様子も明らかになり、従来から言われていた脊椎動物が基本設計をなるべく変化させずに進化してきた「発生砂時計モデル」という法則性と一致する結果を導き出した。
また、カメのゲノム内に1000個以上の嗅覚受容体を作る遺伝子が発見され、哺乳類に匹敵するほどの嗅覚能力が爬虫類にあることも分かったと報告している。
理研発生・再生科学総合研究センター(竹市雅俊センター長)形態進化研究グループの倉谷滋グループディレクターと入江直樹研究員、中国ゲノム研究機関BGI、英国ウェルカムトラストサンガー研究所、欧州バイオインフォマティクス研究所らをはじめとする国際共同研究グループによる成果。
カメの起源についてはこれまで「原始的な爬虫類であるという説」「トカゲに近いという説」「ワニやトリに近いという説」の3つあった。爬虫類のゲノム情報はワニとトカゲに限られてきたが、カメのゲノムを解読したことで、恐竜を含めた陸上脊椎動物の進化の理解がより深まるものと期待されている。
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