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「この昼の写真、夜にしてよ」→ できるんです! Adobeの新技術発表会「Sneak Peeks」で発表された技術群がすごい(2/2 ページ)

ぼくの知っているPhotoshopじゃない……。

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#TimeOfDay

 昼の写真を元にして「これ、夜にしてよ」っていう依頼が将来当たり前のように行われるかもしれません。今は無理です。昼を夜にするなんて、場所や天候によって色の移り変わりなんて別物になりますから、想像の中で何とかすることはできたとしても、それを写真に適用するのはとても手間がかかることになります。

 でも、Adobe MAGICにかかればそれだってできちゃうのです。Photoshopはついに時間をもコントロールすることができるようになってしまったのです。(採用されればですが)

 時間によって写真がどのように変わっていくか、それをタイムラプス動画のように時間ごとの写真をプログラムに読み込ませて、色がどのように変わっていくかを学習させていきます。また、1カ所だけではなく都市や郊外など、さまざまな場所で同じように色の移り変わりを学習させておきます。

 そして素材となる写真を読み込ませる。今回は上海の昼間の写真です。

Adobe MAX

 読み込ませると写真を解析して、アプリケーションが持っている似たような風景のデータを選択します。ここではどうやらドバイの写真がいいんじゃないかと表示されています。

Adobe MAX

 ドバイの夜景をセットします。おそらくここは夜景だけじゃなくて、夕焼けの時とかでもいいんでしょうね。

Adobe MAX

 はい、夜になりました。海に反射している光もちゃんとその色になっていますね。ジョセフも俳優業をしているだけあって「映画の撮影の時はいい光になるまでずっと待つことがあるけど、これ使えばいいじゃん」とお気に入りの様子。

 ちなみにこれだけじゃありません。

Adobe MAX

 絵画を表示してきました。これはおそらく夜だと思うのですが、この絵がもし昼に書かれたとしたらどうなるんでしょう?

Adobe MAX

 はい、昼になりました! ここまであっけなく変換されてしまうと、今特殊効果を仕事にしている方たちはどうなるのでしょう、と心配になります。でもちょっと安心できますよ! 写真を見てみるとなんか動画を再生しているようなアイコンが出ています。さっきまではプログラムだったのに、ここは動画だったとは。でもこれがSneak Peeksのいいところ。圧倒的な新技術をみて、みんなでわいわい騒ぐのがいいのです。(会場ではお酒も配られているのでとんでもなく盛り上がります)


#3DPhotoMagic

 写真に3Dオブジェクトをうまく合成できたら……これって結構需要がある話なのです。インテリア関係の方からはよく「お客さんがスマホで撮影した写真に、うちの製品がどのようにマッチするかといったサービスを作りたい」といった声が聞かれます。でも今それを作ろうとすると、写真からパースを判断して距離を演算してレンズの画角を演算して3Dオブジェクトの大きさを見てサイズと角度を調整して光のあたり方を計算して……とすごい手間がかかります。

 それをサクッと解決してくれるのが、この3DPhotoMagicです。

Adobe MAX

 筆者も酒によってるので写真がボケてしまっていますが、まあ、パースを考えないで適当に合成するとこんなことになってしまいますよね。これをなんとかしたい。

Adobe MAX

 場所をかえてソファのある部屋の写真に切り替えて、技術の解説。テーブルなどからパースを計算させて、とりあえず3Dオブジェクトが置けるようにします。

Adobe MAX

 ボトルが置けました。パースだけではなく写真内の物の形も計算されているので、例えばソファの背もたれにボトルを置くと、その角度に合わせて向きが変わります。3D的な言い方をすると法線に合わせた配置がされていました。

Adobe MAX

 次に光のパターンを計算します。光の強弱から光源がどこにあるのかを計算しているようです。

Adobe MAX

 そしてその光の情報を元にして3Dオブジェクトをレンダリングします。するとマットなグレーのオブジェクトが、光沢のあるガラス製になりました。

Adobe MAX

 最初のひどい合成写真もこのようにピッタリとベッドを置くことができました!

 ちなみにこの技術、静止画ができるし3Dでのオブジェクト認識ができるということで、動画を生成することもできます。

Adobe MAX

 このように、テーブルの上をボールが転がるアニメーションを披露してくれました。これがもし実現できたら、インテリア業界大歓喜まちがいなしです。

動画が取得できませんでした


 いかがでしたか、今年のSneak Peeks。参加者に話を聞いてみると「今年はテンポよく、時間通りに終わった。内容もとても良かった」とのことでした。そう、前回は30分くらい押してしまって、時差ボケ渡米組はその後行われたMAX Bashでお酒を飲みまくって、翌朝のセッションに大遅刻したりしたのです。Adobeにとって、このような発表もノウハウを溜め込んでいるようで、年々内容が良くなってきています。次回も期待したいですね!

 もちろんこの後はMAX Bash。お酒を飲みながら(フリーです!)、いろんな料理を楽しみながら(フリーです!)、さまざまなアートに触れたり参加したり(フリーです!)して夜は更けてゆきました。見事な運営のお陰で翌朝はちゃんと起きて、セッションにも参加しましたよ!

 Adobe MAX 2015は来年10月に開催予定。もちろん、このSneak Peeksも開催されることでしょう。ぜひ生で見たくなった方は日本からのツアーに参加してみてはいかがでしょうか?

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