advertisement
深海に生息しているアカマンボウが「恒温魚」だということが明らかとなりました。エラが車のラジエーターのような働きをしており、自ら体を温めることができるのだといいます。ほ乳類や鳥類は「恒温動物」と学校で習いましたが、魚にも体温調節できる種類がいたことで話題になっています。
米海洋大気局(NOAA)南西水産科学センターのNicholas Wegnerさんの論文によると、アカマンボウに温度計を取り付けて測定したところ、水深150〜1000フィート(約45〜300メートル)地点を泳いでいる際に、筋肉の平均温度が周囲の水温より5度ほど高い状態に保たれていることを発見したそうです。
アカマンボウのえらには体の中心から温かい血液を運ぶ血管があり、この血管がえら付近にある他の血管を包むことにより体温を一定に保っている、とのこと。
光が届かず水温が低い深海に生息する魚は、一般的に動きが鈍く、獲物を待ち伏せするスタイルが多いというのが従来の見解でした。しかし、アカマンボウは体を自ら温めることで、脳を冴えた状態、筋肉を活発な状態に保つことができるのだとか。積極的に獲物を追いかけ、長距離移動も可能……! これは深海の生存競争においてかなり優位なのではないでしょうか。
論文を発表したWegnerさんは「自然は時として想像以上のかしこい生存戦略で我々を驚かせてくれます。」「これは動物の生存競争における革新です。血液循環による熱交換は我々が考える以前から魚たちが発明していたのです。」と語っています。
(高城歩)
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 進化の謎解明にまた一歩? 古代魚ポリプテルスを陸上で飼育したら歩き方に変化
空気呼吸できる淡水魚・ポリプテルスを陸上で飼育したところ、歩くのがうまくなったそう。 - 頭がスケスケなアイツの仲間!? デメニギス科の深海魚、東海大学が113年ぶりに2個体目を確認!!
ネットで人気のデメニギス君の仲間だそうですよ。 - カリフォルニア大学、ゆで卵を“生卵”に戻す新しい方法を発明
白いのが透明に……戻る……だと? - 弱すぎるマンボウが突然の死を繰り返す育成ゲーム「生きろ! マンボウ!」がじわじわ人気に
死因「水が冷たくて」。 - 上級者向けすぎるだろ! 宇宙空間に浮かぶマグロをただひたすら撃つだけのシューティングゲーム爆誕
何を言っているのかわからねーと思うが、宇宙空間に「鮪」が浮いていたんだ……。 - クロマグロ連続死の水槽にハガツオとスマ復活へ 葛西臨海水族園が展示回復の第2段階に
水槽にハガツオとスマが帰ってくる。 - こりゃでっかい! ニシキエビの脱皮殻の写真がTwitterで話題に
飼育係さんと並ぶと、大きさがよく分かります。 - 目立たないけどよく見るとかっこいい 八景島シーパラダイスの「ミクロモンスター展」がRPGっぽい展示
極小怪物、襲来! ボス=ウミクワガタ。四天王最弱は……? - 超大判フィルムが捉えた精彩な風景! すみだ水族館で写真展「視力6.0で見たニッポン」開催
東京スカイツリータウンの開業3周年を記念した試みです。 - 演出面がグレードアップした「エプソンアクアパーク品川」7月10日にオープン イルカにワクワク、クラゲに癒やされる
今年1月5日から休館していた「エプソン 品川アクアスタジアム」がリニューアル。