売れるものは何でも売ってしまおうという、商魂たくましい自販機市場。お守り、おみくじ、折り鶴、手作り細工など、海外からの観光客増加を見越したラインアップが増え始めたことから、最近話題になることも多いですよね。ところが、自販機大国・ニッポンといわれ、年間売り上げ5兆2000億(※)を誇る自販機市場に慣れ親しんだ日本人でさえ、意外と知らない様々な法則があることをご存じでしたか?(※2013年実績。日本自動販売機工業会調べ)
自販機あるある/10円玉23枚では、230円の切符を券売機で購入できない
駅の券売機で230円の切符を購入しようとして10円玉を23枚投入すると、21枚目を入れた途端にシステムにロックがかかり、すべて硬貨がジャラジャラと返却口に戻ってきてしまいます。これは「同一硬貨は20枚まで」という制限機能が設置されているため。
この機能は「通貨の単位及び貨幣の発行等に関する法律」に「五百円、百円、五十円、十円、五円、一円の六種類の補助通貨(硬貨)が強制力をもって通用できるのは20枚まで」と定められていることによります。つまり券売機は法に則り、20枚以上の硬貨を拒否できるシステムになっているのです。
同様にコンビニ、量販店、飲食店等のレジで、例えば1324円を支払う時、あなたが1000円札1枚、10円玉30枚、1円玉24枚を出したと仮定しましょう。
そのとき、店員さんはあなたが財布から出した「20枚以上の10円玉」と「20枚以上の1円玉」を拒否する権利を有しているのです。ただし実際には「次回からはご遠慮ください」とやんわり注意されるものの、拒否されるケースは少ないようですが……。
でも、硬貨の「20枚」制限を知っていれば、レジに大量の硬貨を出して店員さんを困らせることもなくなりますし、そもそも大量の硬貨を数えながらレジを占領することで、後ろに並ぶ人たちをイラッとさせずに済むはずですね。
自販機あるある/10円玉44枚では、440円のたばこを購入できない
券売機とは別に、たばこや飲料などの自販機にも別の制限機能が設けられています。例えば、貯金箱にたまった小銭を整理しようと10円玉44枚をポケットに入れて、家の近くの自販機で440円のたばこを購入しようとしても、たばこを買えずにスゴスゴ帰宅することうけあい。
その理由は、「10円玉は40枚まで」「50円玉は4枚まで」「100円玉は4枚まで」「500円玉は3枚まで」といった硬貨枚数制限が設けられているから(自販機設置店舗によって差があります)。
こうした機能は、過去に起きた変造硬貨事件や自販機荒らしなどを背景に「いたずら=偽造通貨行使の防止」を主目的に、多くの自販機が講じた対策。
また「100円玉10枚を投入し、返却レバーを押すと500円玉2枚が戻る機能」を悪用し、店主のいぬ間に大量両替された事例もあり、多くの自販機で同様の制限が設けられることに。
自販機あるある/緊急時の位置確認や、停電時の飲料供給機能
自販機には「住所表示ステッカー」が貼られていることをご存じですか?
これは、110番や119番を要する緊急時にいち早く所在地を確認できるよう、消防庁が自販機メーカーに要請したことで始まったもの。例えば、「レジャー先でクルマが故障してしまい、救助を要請したい」「目の前で交通事故が発生。救急車を呼ぶ際に的確に現在地を知らせたい」というときは、自販機が近くにあればステッカーですぐに位置確認ができるのです。
さらに、画像のようにライフラインが断たれた災害時や、停電状態の中でも無料で飲料を確保できる「緊急時飲料提供ベンダー」の自販機も、職場や公共の施設等で最近多く見かけるように。いざという時に頼りになるスグレモノの「進化形自販機」は、あらためて世界的に大きな注目が集まっているスグレモノ。街中に多数の自販機があることを当たり前とする日本人だからこそ、様々なナゾや法則を知り、自販機を賢く利用したいものですね。
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