国内では手に入りにくい商品が購入できるほか、国内よりも安価で商品を購入できることもあり、海外ネット通販を利用する方も多いのではないでしょうか。しかしながらそれにともなうトラブルも増加していることから、消費者庁は海外事業者とのインターネット通販を行う際の注意喚起を行っています。
海外事業者とのトラブルの例としては、入金したにもかかわらず商品が届かず連絡が取れなくなった、通常より安い価格で売られている商品を購入したら模倣品だった、違う商品が送付されてきた、引き落とされた金額が請求金額と違う、返品を受け付けてくれなかった……、などが挙げられます。なかなか深刻なものが多い印象です。
やっかいなのはトラブルそれ自体だけでなく言葉の壁や商習慣の違いから、解決が非常に難しいという点でしょう。取引き先から外国語で連絡が来たため思うように交渉できない例や、そもそも事業者の連絡先がない、問い合わせても返信がない、さらには海外の裁判所での仲裁でしか対応できないと言われたというケースも。
これらのトラブルをできるだけ回避するために、消費者庁は悪質性のある海外ネット通販サイトを見分けるためのチェックポイントを作成。具体的にはウェブサイトの日本語表現が不自然、通貨単位が「円」ではない、振込先の銀行口座の名義がウェブサイトの名称や事業者名と異なる、といった場合は特にしっかりとした確認が必要としています。
トラブルを回避するためのチェックポイント(消費者庁作成)
- ウェブサイトの日本語表現が不自然(言葉遣いがおかしい、旧字体が使われている、文字化けしているなど)
- 価格表示の通貨単位が「円」でない、または書かれていない
- 振込先の銀行口座の名義が、ウェブサイトの名称や事業者名と異なる(外国人の個人名義の口座であるなど)
- 正確な事業者の情報(事業者名・住所・電話番号)がはっきりと書かれていない
- 商品の代金の支払時期やその方法、商品の引渡時期がはっきりと書かれていない
- 商品価格が、通常価格や他のウェブサイトよりも大幅に安い
- キャンセルの条件などがはっきりと書かれていない
- 支払手段が複数用意されていない(前払いのみなど)
- ウェブサイトの名前を検索すると、良くない評判が見つかる
なお、消費者庁が作成しているチェックポイントは相手が海外事業者ではなく国内事業者の場合にも活用できるので、インターネット通販を利用する際はぜひ目を通しておきたいものです。また、消費者庁のウェブサイトには「悪質な海外ウェブサイト一覧」が掲載されてます。
便利で安価――。魅力的にも思える海外ネット通販ですが、安心して快適に利用できるよう、購入前に今一度チェックポイントの確認を行うといったひと手間が重要になりそうですね。
(高城歩)
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