2006年から現在までの10年間にわたって、各地の中学・高校の卒業式でサプライズライブを開催しているミュージシャンのGACKTさん。ライブにかかる経費は自費らしいのですが、一体なぜ、そのような活動を続けているのか。今回ブログでその理由を明かしました。
ブログによると、GACKTさんが卒業式に歌を贈りに行くようになったのは、担当するラジオ番組に届けられた一通の手紙がきっかけ。手紙を贈ったのは、「環境防災科」という人気のない学部に通う神戸の高校生で、「このままだとこの学部が無くなってしまう。応援してほしい」という助けを求める内容だったそう。
そのSOSに対してGACKTさんは、「ボクが応援するのは構わないが、それが本当にオマエたちにとって意味があるのか? そんなことをしても、一時的にその学科の人気が戻っても またすぐに定員割れを起こしてしまうだろう」とあえて厳しい言葉で突き離し、「もし、オマエたちの頑張りで、翌年の新入生の定員をオーバーすることがあれば、ボクがオマエの卒業式に花を添えてやる」と条件付きでの協力を約束。
結果、その高校生は仲間を集めて環境防災科のアピールに努め、数年続いていた定員割れを見事に止めただけでなく、定員を超える志望者を集めることに成功しました。この成果を聞いたGACKTさんは約束を果たすべく、「野に咲く花のように」と題した曲を書き下ろし、サプライズライブを実施。卒業式に花を添えたのでした。
この経験がGACKTさんに、「大きな感動という形で彼らの背中を押すことが出来れば、きっとその中の誰かがいずれ10年後20年後に、また新たな若者達の背中を押せるような人物になってくれるんじゃないのか……」という考えを芽生えさせます。
「常にステージからオマエたちの背中を押すことをボクは心がけている」と語るGACKTさん。しかし、「この【背中を押す】という行為は、押す側と押される側とのタイミングと諸条件、そして【大きな感動】を伴わなければ、なかなか成立はしない」とも。そういった意味では、卒業式はGACKTさんが人々の背中を押すのに適した舞台だったといえます。
「ボクらの様な立場の者達はもっとそこに踏み込んでいかなければならないのではないか……?」。そういった思いから、卒業式のサプライズライブを始めたGACKTさん。しかし、自らの行為については「ボクがやりたいからやってる」という理由から“エゴ”と表現するなど、あくまで過小評価。
また、売名行為だと批難する声については、「ボクに売名する必要はない」「誰かに褒められたいわけでも、誰かに認められたいからやってるわけでもない」ときっぱり否定しました。
3月19日から始まるライブツアー「LAST VISALIVE」も、GACKTさんのそんなアーティストとしての意地が感じられる機会になりそうです。
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