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エスカレーターは歩かず立ったままのほうが混雑しない? ロンドン交通局が実験

ちなみにロンドンのエスカレーターは、右側に立つ関西ルール。

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エスカレーターのイラスト by いらすとや

 地下鉄のエスカレーターの混雑を解消するための実験が、ロンドンの公共交通を管理する行政機関「ロンドン交通局」により開始されました。場所はミッドタウンに位置するホルボーン駅です。

 実験の内容は、構内にある3連のエスカレーターのうち、2基を歩いて登ることを禁止して、立ったまま2列に並んで乗ることとし、残る1基は片側を空け、急いでいる人が歩いて登れるようにする、というものです。

 一見急いでいる人が先に行ってくれたほうが混雑しそうにないのですが、ホルボーン駅のエスカレータの長さは23.4メートルあり、歩いて登る人もまばらになるとのこと。調査によると、高さ18.5メートルを超えるエスカレーターでは歩いて登る人も少なくなり、この方法がより効果があるとのことです。

 ロンドン地下鉄の運用指揮官であるPeter McNaught氏は今回の実験を次のように説明しています。

 今回始まった新たな実験的な試みに期待を寄せている。ロンドンの地下鉄のエチケットでは、乗客はエスカレーターの右側に立ち、左側を歩くことができる。ホルボーン駅にあるような長いエスカレーターでも歩いて上る乗客もいるが、左側のラインが使われていないことが多い(今回の試みにより)ホルボーン駅の混雑が解消され、乗客がより移動しやすくなるだろう。


比較イラスト by Jun 青が立ったまま乗る方々。赤が歩いて登る方々。列が埋まってよりたくさんの人が一度に乗れる(筆者作成)

 実はこの実験は今回2回目で、昨年3カ月にわたり同様の実験が行われました。その結果、混雑を30%減らすことに成功しています。今回の実験では6カ月に渡って実験が行われます。

 ホルボーン駅は、イギリスの中でもとくに混雑する駅のひとつで、年間約5300万人の乗客が利用します。日本の主だった都心の駅は、それをはるかに超える混雑ぶりで(参考:2014年度 JR各駅乗車人員)、その緩和も課題のひとつとなっているのではないでしょうか。この実験を反映しようとすると複数のエスカレーターが必要になり、実施できる場所は限りがあると思いますが、なかなか興味深い解決法と言えます。


(Jun)


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