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“はいふり”第2話「晴風とシュペーの追撃戦」をボードウォーゲームで体感する!これで君にも「70で5」の意味が分かる

「分かる人には分かる」特典ポストカードを「あのボードウォーゲームベンダー」がゲームマーケット2016春で配布というスクープも。

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 「はいふり」改め「ハイスクール・フリート」(なんかもうこれでワンセットのタイトルみたいなんですけど)が、いきなりのタイトル変更から、その影響で自動録画設定を変更しなければらないかも、やら、予想外のストーリー展開と、作品としての評価は未だ定まってはいないものの、話題性としては2016年春アニメの中でも突出している状況です。

 ミリタリーファンとしては、「ガールズ&パンツァー」のスーパーバイザーと軍事考証を担当した鈴木貴昭氏が原案ということと、第1話で登場した「大和」「武蔵」「晴風」(陽炎型駆逐艦)などの精密な描写(CG制作もガルパンを手掛けたグラフィニカ)、そして、作中で流れる号令発声の抑揚(SNSで評判のカンチョウなど)や呼称、所作(立ち錨の赤旗、起き錨の青旗)など、アニメ作品として必要な変更を取り入れながらも細かく作り込んでいるようです。

 「ほのぼのアニメと思ったらなにこの急展開」と学園的日常生活から海戦が発生する緊迫した展開となだれこむのがはいふりストーリーのお決まりとなっているようですが、その海戦場面も(演出としての変更やデフォルメもあるけれど)戦術面で細かい仕掛けを用意しています。

 第2話では、「ドイツからの留学艦」という設定で「アドミラル・グラフ・シュペー」が登場して、晴風と追撃戦を展開します(史実のシュペーも追撃戦を行っているが、そのときは追いかけられる側だったのが意味深なところ)。この戦いの中で、晴風の艦(↓)長(↑)と砲術長(と書記という名の実質副官)がこんなやり取りをします。

IBS IIIで陽炎型駆逐艦とシュペー(の代わりのシェーア)の追撃戦を再現してみた

砲「70で5」

長「(砲戦距離)7000(メートル)で50ミリ(の装甲が抜けるのね)。シュペーの舷側装甲(の厚さ)は?」

副「80ミリです」

砲「30」

長「30(00メートル)まで寄れば(シュペーの舷側装甲は)抜けるのね!」

 水上砲撃戦では、撃った砲弾が命中しただけではなく、当たった場所の装甲を貫徹できるかが重要になります。一般的に砲戦距離が短いほど厚い装甲を貫徹できます。実際の海戦では、敵国艦艇の装甲データは不明で、「撃って当たってみないと分からない」ということが多いのですが、ハイフリの世界ではその辺りの情報はすべて開示しているようなので、水上砲撃戦では「自分の砲弾が敵の装甲を貫徹できて敵の砲弾は自分の装甲を貫徹できない」距離を確保するのが重要な戦術となるようです。

 この状況を体感できるボードウォーゲームが、国際通信社の「アイアンボトムサウンドIII」です。艦船データに装甲データも用意していて、主砲や副砲、艦橋といった主要個所のほかに甲板装甲や舷側装甲も備えていて、命中状況によっては装甲を貫徹しないと損害が発生しないようになっています。

 砲撃の貫徹力は主砲や副砲の国別口径別型式別に細かく設定してあり、ハイフリの戦闘場面でも出てきたように砲戦距離によって貫徹できる装甲の厚さも変わってきます。プレイヤーは戦闘結果表にある砲ごとの貫徹力と砲戦距離、そして、目標艦の装甲データから、自分の砲弾が敵の装甲を貫徹できる距離まで接近する、または、敵の砲弾が自分の装甲を貫徹できない距離まで離れるように移動することになります。

精緻に設定したIBS IIIの装甲貫徹力データ

 アイアンボトムサウンドIII(以下、IBS III)には、艦これ提督さんにはおなじみの「赤城」さんが空母ではなく最初の計画通り巡洋戦艦として完成して、米海軍の、これも史実では空母として完成しましたが、当初計画通り巡洋戦艦となったレキシントンと夜戦を行う仮想戦シナリオを用意しています。赤城さんの各部装甲の厚さと搭載する40センチ主砲の貫徹力、そして、同じくレキシントンのデータを並べると次のようになります。

赤城さん(写真=左)とレキシントン(写真=右)の艦艇データ
赤城さんとレキシントンの装甲データ
装甲厚 主砲 副砲 舷側 艦橋
レキシントン 14インチ(以下同) 7 16
赤城 10インチ(以下同) 10 13

日米16インチ(40センチ)砲貫徹力データ
距離(1へクス550メートル相当) 1〜2へクス(以下同) 3〜5 6〜7 8〜10 11〜13 14〜17 18〜20 21〜25
米16インチ砲 24インチ(以下同) 23 22 21 20 19 18 17
日16.1インチ砲 19インチ(以下同) 18 18 18 17 17 17 16

 レキシントンの主砲弾は赤城の各部装甲をどの距離からでも撃ち抜ける一方で、赤城の主砲弾は距離21へクス(実際の距離で1万1550メートル超)以上になるとレキシントンの艦橋装甲に跳ね返されます。そうなると、レキシントンとしては交戦距離を21へクス以上に離すのが有利ですが、赤城は距離20へクス以下に接近しないとなりません。

 これと同じように、晴風とシュペーの戦いではお互いどの距離が有利なのか確認してみましょう。晴風は実際には存在しない艦名ですが、高圧缶搭載の陽炎型ということで、「天津風」がその代わりとして……、おおーっと、シュペーがない! 実は、1982年に出版した初版アイアンボトムサウンド(日本語版はホビージャパンが出版)には、シュペーと同型艦の「アドミラル・シェーア」が登場するシナリオがありましたが、IIIでは別のシナリオにさし変わっていてシェーアすら登場しません。んー、しかし、せっかくなので、ここは特別に初版アイアンボトムサウンドにあったシェーアのデータをもってきてみましょう。シェーア各部装甲の厚さは以下の通りです。

装甲厚 主砲 副砲 舷側 艦橋
シェーア 6インチ 1 4 6

 対する晴風、いや、天津風が搭載する5インチ砲の貫徹力データはというと、おや? データ表にこんな言葉が。

「日独の5インチ砲は装甲貫徹力を持たない」

 たー! そうだった!(by 西崎芽依)アイアンボトムサウンドのデザインでは、晴風がシュペーの舷側装甲を撃ち抜くことができません! ただ、戦闘結果表には装甲を貫徹しなくても特殊損害が発生して、その結果、速度が遅くなるといったハイフリ第2話と同じ状況が発生します。確率は限りなく低いですが、その可能性にかけて戦うことも実戦では“意外とよく”あるのです。

 「キャラかわいいけれど戦闘場面で何を言っていて何をやっているかよく分からない」という声も多いハイフリですが、ボードウォーゲームなら、その辺りを学習しつつ晴風の戦いを体感できるのです。

 今購入できるIBS IIIに第2話に登場したシュペーが入っていないのは残念至極ですが……え、なに? IBS IIIを販売している国際通信社が、ゲームマーケット2016春でポストカードを配布すると。へー、まあ、よくある普通のポストカードですよね……って、このポストカード、表にはアドミラル・グラフ・シュペーの艦船データがあって、裏には陽炎型駆逐艦とシュペーが戦う“仮想戦”シナリオが書いてあるんですけどっ。

国際通信社がゲームマーケット2016春に出展する自社オンラインショップ「アナログゲームショップ a-game」ブース(A50)では、当日同ブースで“海戦”ゲームを購入した来場者限定で「分かる人には分かるポストカード」を配布する。いや、あくまでも大帝国海軍の陽炎型駆逐艦の話ですよ。ええ(画像は一部抜粋一部加工)

 「いや、はいふり観たことないっすよ」と国際通信社の関係者はいうけれど、「分かる人には分かる」ポストカードは、5月5日に東京国際展示場西5、6ホールで開催するゲームマーケット2016春の「a-game」(国際通信社のオンラインショップ)ブースで当日同ブースの海戦ゲームの購入者限定で配布する予定です。数に限りがあるので、「分かった人」は購入急ゲ! ということで。

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