NetflixのHDR版「シドニアの騎士」に副監督「本来作りたかった絵に近づいてくれた」 今年中に「BLAME!」も
HDR(ハイダイナミックレンジ)化した「シドニア」の映像。その違いとはいったい……?
Netflixで1月1日から、アニメ「シドニアの騎士」のHDR(ハイダイナミックレンジ)版が配信スタートしています。これを記念して、東芝の開発した4K有機ELテレビで同作を上映するイベントが開催。Netflix代表取締役社長のグレッグ・ピーターズさん、「シドニアの騎士」プロデューサーの石丸健二さん、副監督の吉平“Tady”直弘さんらが登壇しました。
Netflixでは、映像の明暗の差や色域を広げるHDRという映像技術に力を入れており、すでに「デアデビル」や「火花」などの実写作品をHDRで配信中。そんな中、同サービスで初のHDRアニメとなったのが、根強い人気を誇る「シドニアの騎士」です。原作者の弐瓶勉さんによる力強いビジュアルや空間設計が引き立つ同作を、グレッグさんは「HDRの効果を見せる格好のコンテンツ」と語り、「HDRで見ると、宇宙の深い黒み、太陽の光がとても明るく映り、それでも背景に散らばる星や戦闘用ロボットのスラスターの細かいチリなども見逃さない」と自信を見せました。
イベント後半では、「有機ELレグザで見る『シドニアの騎士』」と題して、石丸健二さん、吉平“Tady”直弘さん、東芝ソリューション開発センターのオーディオ&ビジュアル技術開発部グループ長・山内日美生さん、Netflixの宮川遙さんによるトークセッションが開催。
HDR化された「シドニアの騎士」について、石丸さんは「光がすごく明るくて、何回も見ているのに、別のコンテンツなんじゃないかというくらいに情報量が多かった」と称賛。吉平さんも「白と黒が全然違う。これまで明るいところで白飛びして、黒いところで“黒潜り”して見えなかったものが全部見える。SDR(スタンダードダイナミックレンジ)の狭いレンジの中でコントラストを高めることができなかったのが、HDRになって、高いコントラストを保ったまま美しい中間階調を描くことができるのが素晴らしい。本来作りたかった絵に近づいてくれた」と喜びを語りました。
Netflixで配信された「シドニアの騎士」は、日本のみならず世界各国で人気。石丸さんは「イタリアやブルガリアからメールが来て、『シーズン3を作ってもらえないか。少しお金を出すから』と書いてくださる方もいた」というエピソードを披露しました
この日、東芝の4K有機ELテレビ「REGZA X910」を使っての「シドニアの騎士」のHDR映像が公開されました。
「シドニアの騎士」は、宇宙船シドニアに暮らす主人公・谷風長道(たにかぜ ながて)が人型兵器「衛人(もりと)」の操縦士訓練生となって戦う姿を描いたSF作品。より色鮮やかで美しい映像が楽しめるHDR版は現在Netflixで配信中です。なお「シドニア」に続いて2017年半ばには、弐瓶勉さん作の「BLAME!(ブラム)」のHDR版がNetflixで独占配信予定です。
(田下愛)
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