まぶたを手で持ち上げて目の内側(粘膜)までアイラインを引く――という方は結構多いのではないでしょうか。しかしこのメーク法は危険だとする注意喚起が広まっています。医師、化粧品メーカー、メークアップアーティストを取材しました。
きっかけはあるTwitterユーザーが投稿した注意喚起で、これまでは目の粘膜までアイライナーを引いていたが、眼病の原因となるという話を聞き、粘膜アイラインを卒業したというものでした。
「粘膜アイラインは眼病の原因になる」という説は本当なのか。公式サイトで「アイメークと目の病気」についてのページを公開しているあさい眼科(静岡県・浜松市)浅井竜彦院長にお話を伺いました。
まず「まぶたの内側にはマイボーム腺という器官がある」と浅井院長は解説。涙液を蒸発しにくくするための油を分泌しているマイボーム腺をメークなどで塞いでしまうと、機能が低下してしまう可能性があり、感染や霰粒腫(さんりゅうしゅ・マイボーム腺にできる腫瘤の一種)、ドライアイを引き起こす場合もあるのだそうです。
このことから粘膜までアイメークをすることは推奨されないとのことでした。またアイメークが原因とは断定できないものも含めると、マイボーム腺のトラブル自体は珍しいものではないといい、異常がみられたらすぐ医師に相談してほしいとのことでした。
ネット上では浅井院長の様に、粘膜アイメークに警鐘を鳴らす人がいる一方で、このメーク法を推奨するサイトも多く存在しています。
メークアップアーティストとして活躍する益子克彦さんによると、この方法はメークテクニックの一つとして「インサイドライン」と呼ばれているとのこと。目の粘膜の部分に白っぽい色を入れると、白目に反射して目がキラキラしたように見えたり、黒っぽい色をいれると目がくっきりと大きく見える効果があるのだそうです。
しかし、益子さんのようなプロが他人に対してメークをするのと、一般の人が自分の顔にメークをするのとでは感覚が全く違うため、「インサイドライン」を実践する場合にはプロにやり方を習ってからにしてほしいと益子さんは話します。また「インサイドライン」だけに関わらず、メークをした際にはきちんとメーク落としをすることも大切とのことでした。
また大手化粧品メーカーにも取材したところ、「全てのお客さまの声を参考にさせていただいているので、SNS上の投稿(アイメークに関する注意喚起)についても一般論として把握していた」と回答。化粧品については一般的にまぶたの表面やまつげとまつげの間に塗られるものとして作られているため、粘膜までアイメークをすることは推奨していないとのことでした。
そもそもメーク自体が肌に悪影響を与えるのでは、といわれると難しいところもありますが、重要なのはきちんとメークを落とすこと。新しいメーク法に挑戦する時は、プロや医師の助言を受けた方が安心です。
(Kikka)
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