Web漫画家になって苦労したこと、良かったこと
さて、それでは最後に僕がプロのWeb漫画家になってみて良かったこと、そして苦労したことをざっくりまとめてみたいと思います。
■うれしかったこと
- 反応がすぐ帰って来ること
これはいろいろな所で言われていることだとは思うのですが、やはり自分が投稿した作品へのリアクションがすぐに分かるというのはかなりモチベーションの増加につながります。
それに対しこちらからアクションをすることだってできますし、これはまさにWebならではの良さだと思います。
もちろん、ネガティブ、アンチな意見も目にしますが僕はそういう意見も大好物な人間なので……逆にそこに耐性がないとちょっとキツいかもしれませんね。
1回、2ちゃんねるにアンチスレが立ったときはめちゃくちゃ喜んで自分でも数レスぐらい書き込んだのですがすぐに落ちて悲しかったです。
- Webならではの単価が高い仕事が来ること
やはり、広告案件を始めとする単価がすごく高いお仕事が多いことがうれしいです。
もちろん修正の多さなど厳しい所もありますが、修正を入れつつも自分の面白さを生かしてうまく描けるように切磋琢磨するのはすごく楽しいのです。
- なんだかんだ言って自由であること
クソ忙しいときはクソ忙しいのですが、Web漫画家はフルデジタルで作業している人も多いので、正直道具とネット環境さえそろっていればどこでだって仕事ができます。
PC内蔵型の小型液タブを抱えて世界旅行をしながら仕事だってできます。打ち合わせもスカイプがあればいいですし。
寝たいときは寝て、働きたいときに働く。こういう生活に憧れて会社員をドロップアウトした自分にとって今は最高に毎日が楽しく、充実しています。寝たいときに寝られない場合もありますが!
■苦労した、すること
- 自分の仕事を説明するのが大変
何の仕事してるの〜? って言われたとき、めちゃくちゃ説明が大変です。
大体「Webで漫画描いてます」って言うと、全然稼げてないんだろうな〜大変なんだな〜って顔をされるので……別にそれでいいんですが。
だからといって「漫画家です」とだけ言っちゃうと「ワンピースの作者のサインもらってきて!!」とか平気で言われます。お前は漫画家を何だと思ってるんだよ。
さらに親戚のおっちゃんとかに頑張って仕事の説明をしたときに言われる言葉の第1位が「よく分からないけど頑張れ」です。心折れるわ。
最近はWikipediaにページができたので、もう「Wikipediaを見て」の一言だけで済ませています。Wikipedia超便利です。そこに名前があるだけで「あ、この人ちゃんと仕事してるんだ」って思ってくれるので。ここだけの話Wikipediaにページがあるだけで不動産の審査もちょっと緩くなりました。Wikipediaって何? って言われたらもう帰ります。
- 金額交渉のつらさ
Web漫画家の場合は、原稿料に関する知識がないままいきなり仕事に放り込まれる場合もあるので、イラスト1枚絵や4コマ漫画の相場とかが何も分からない場合が多いです。自分の場合もそうでした。この案件いくらで受けてます〜とか言って先輩フリーランサーにめちゃくちゃ怒られたこともあります……。
なぜ怒られるかって、無知識故に下手に安く仕事を受けちゃうとやしろさんが○○円で受けてるので、○○円でお願いします!とかいう最悪な感じの営業を他の絵描きさんにされる可能性もあるからです。
金額交渉をする場合、大体決まっている相場とそこに自分の価値をプラスしたものを相手に提示するのがベストだと言われたのですが、これめちゃくちゃ難しいですよね。何だよ自分の価値って。
現在はマネジャーを付けて対処していますが、最初のころは本当にこれがキツかったです……。
- 将来
怖いよね!!! 老後が!!!
でも周りの作家仲間の生活スタイルとかを見ている限り、僕含めみんな50〜60代ぐらいで死んでいきそうな気がするのでいいです……いやよくないです。健康に生きましょう。
「フリーランス」という働き方と「老後の不安」というものは切っても切り離せないものだと思います。老後の不安とはもうマブダチみたいなものです。
今の立場、環境に満足せず時代の変化に敏感になれるよう常にアンテナをフル稼働させながらこの先も生き残っていきたいですね!
- あとがき、Web漫画家を目指す人へ
以上、いかがでしたでしょうか。
後半は結構真面目に書いてしまいましたが、これでWeb漫画家がどんなものか分かったという方が少しでもいてくれたらうれしいです。
結構つらいことなども書きましたが、Web漫画家は楽しいです。少なくとも自分は今、ものすごく人生を楽しめています。
Web漫画家になってみたい! 食っていきたい! という人は臆せずガンガン作品を上げて、自分を売りに出していけばいいと思います。今はWeb漫画専門サイトも持ち込み募集や出張編集部も出しているのでそういう所に作品を持って突撃することだってできます。
自分の作品を世に出せる場所、方法は昔とは比べものにならないぐらい多い今の時代、チャンスはたくさん転がっています。それをうまくつかんで、そして、ともに楽しんで生きていければと思います。
それでは!
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