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宝くじとか目じゃないやつだコレ! 「5000兆円」もらったら何ができるのか真面目に考えてみた

国が買える。

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 ネットで最近ちょくちょく見る「5000兆円」ネタ。文字の圧で笑ってしまう。

 5000兆円あったら何しよう? 何でもできる気がするが、数字が大きすぎてよく分からん。

 これだけ流行っているし、いつ5000兆円が降ってくるとも分からない。いざというときのために考えておこう。

5000兆円ってどのくらい?

 世界長者番付1位のビル・ゲイツが資産額9兆円。それを考えれば5000兆円のヤバさがよく分かる。

 個人レベルでなく、国家レベル、世界レベルで考えなければいけない。日本の国家予算が103兆円、国内総生産(GDP)が550兆円。また、世界中のGDPを合計すると1京円(10000兆円)弱になるらしい。

 すなわち、5000兆円とは日本の経済活動9年分、地球全体が1年間で行う経済活動の約半分

 それだけの金額が一個人の手に渡れば確実にインフレ祭りになると思うが、難しいのでそこは考えないことにする。

どこに置いておけばいいんだ

 さて、めでたく5000兆円を受け取ったとして、どこに置こう。多分現金で5000兆円は置いておけないし、そもそも現金化できないと思う。

 銀行に預けることになると思うのだが、5000兆円という巨額の預金、受け付けてくれるのだろうか……?

 多くの銀行では、(制度上は)預金額に上限は定められていないようだ。規模の大きい銀行は100兆円代の総資産をもつというから、10兆円くらいまでなら受け付けてくれるかも。

 ただし、これだと全額預けるのにメガバンクが500行必要。5000兆円全部を銀行で管理するのは無理だろうなあ。

 せっかく大金があるのだから、とにかく使いまくってどんどんモノ化しちゃおう。

別荘

 庶民の夢、高級別荘。取りあえず、日本各地・世界各地に別荘を買おう。

 お高い別荘の相場を調べてみた。本当に買うことは一生ないと思う。

 日本をみると、湘南や熱海、軽井沢などの有名別荘地なら2〜3億円、その他の地域になると5000万円もあれば戸建てを1件買えそうだ。

 海外に目を向けよう。ハワイのダイヤモンドヘッド、ビバリーヒルズ、地中海に浮かぶシチリア島まで、世界各地の高級住宅街やリゾート地を探せば戸建てで10億円はくだらない。

 いずれも普通じゃとても手が届かないが、5000兆円の前にはあぶく銭である。取りあえず100件(10億円×10、1億円×30、5000万円×60)ほど買っておこう。これで160億円。割合的には100万円から32円しか使っていないようなもんだ。

 さらに予算がまだまだ余っているので、地球の陸地の1%を自分の別荘にすることを考えよう。地球の陸地は1億4700万平方km、その1%は147万平方km。

 別荘1件の平均面積は、日本で0.1万平方km、海外なら0.3万平方kmほどだろうか。ほとんど海外に持つことになるだろうから、買うべき別荘の数は約490件。

 100件買ったときと同じ割合で500件買うとしても、必要な額は800億円。

 地球の陸地を1%、豪華な家付きで買い占めるなど、5000兆円の前には造作もないのだ。

美術品

 次にお金が使えそうなものといえば、美術品だろうか。

 絵画でいうと、ピカソの「アルジェの女たち」が約200億円で取引された例がある。別荘100件より高いとは恐ろしいが、まだまだ5000兆円に比べれば安いもの。おや、もしかして美術館ごと買えるのでは……?

 「モナ・リザ」を始め、有史以来生み出されてきた数々の美術品を収蔵するルーブル美術館。そのコレクションは38万点以上とのことだが、仮に1点100億円と多めに見積もって計算しても3800兆円となるから、5000兆円あれば買える! 人類の歴史をこの手中に!

税金は……?

 3800兆円なら買える……と書いたところでふと思った。この5000兆円、税金はかかるのか?

 5000兆円「もらう」場合、日本では贈与税が発生する。

 3000万円を超える分にかかる贈与税の税率は55%(控除額400万円)なので、贈与税を計算してみると

 (5000兆−110万(基礎控除)) × 0.55-400万 ≒ 2750兆!(控除額がもはや誤差)

 贈与税がかかるとした場合、初っぱなから半分以上国に持っていかれてしまう。残るは2250兆、ルーブル美術館大人買いの夢破れたり……。

建国だ!

 だが、まだ2250兆円残っている。せっかくだから、別荘や美術品を買うよりもビッグなことを成したいじゃないか。

 よし、新しい国を作ろう!

 「国 作り方」でググってみると、「領土」「国民」「主権」の三要素がそろえば「国」を自称できるらしい。

 まずは領土から。無人島を“売っている”サイトによれば、面積3万坪弱の無人島なら、1億4000万円くらいで買える(参考:アクアスタイルズ 無人島販売/海外不動産販売)。

2017年5月31日11時47分追記:記事初出時、上記本文中にて「北海道くらいの広さの無人島なら」という誤った記述がありました。お詫びして訂正いたします。

 国民に関しては、インターネットで呼びかければひとまず何人か来てくれるだろう(多分)。

 主権をもつには、「他国からの支配を受けずに」領土と国民を統治できることが必要だが、アメリカの国家予算が310兆円だから、2250兆円をチラつかせれば大抵の国は従ってくれるのでは(先ほど日本に2750兆円納めたことは忘れておこう)。

 新たな国を開発・運営するのにどのくらいのお金がかかるかは分からないが、アイルランド(島国で先ほど参考に出した無人島と同程度の面積)の歳出は10兆円程度。2250兆円を元手にすれば当面はやっていけそうな気がする。

 「多分」とか「チラつかせれば」とか適当すぎる計画だが、各方面の有能な人を引き抜くことも(金の力で)できるし、何とかなりそう(?)。

 というか、いっそのこと日本を丸ごと買うのもアリかもしれない。

 いくらかかるのか見当もつかないが、日本にある土地と建物の価値は固定資産税から推定できる。

 平成25年度に全国の市町村に収められた固定資産税の総額は8兆5600万円。固定資産税の標準税率は1.4%だから、全国の固定資産の推定価値は611兆円。

 何と、土地と建物だけ(家具などは含めない)なら2250兆円で買えそうなのである。日本全体は無理かもしれないが、北海道だけとか九州だけとかなら丸々我が物になるかも(北海道の方・九州の方ごめんなさい)。

まとめ

 「5000兆円ある!」と思いながらやりたいことを探すと、わりと何でもできることに気付く。5000兆円ってすごいんだね……(途中にも書いたが、確実にインフレが起きるので5000兆円あってもこんなにうまくはいかないぞ!)。仕事しよ。

編集協力

QuizKnock


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