米ソニー・ピクチャーズが暴力シーンなど削った「クリーンバージョン映画」提供計画 監督などの反発で変更
オリジナル版購入者に「クリーンバージョン」提供を計画していましたが、「監督が賛同しなければ提供しない」方針に。
米Sony Pictures Home Entertainmentが、一部の映画について暴力シーンなどを排除した「クリーンバージョン」を提供する方針を発表し、映画制作側が反発。同社はその後「監督が同意した場合のみ」と方針を展開しました。
同社の「クリーンバージョン」計画は6月上旬に発表。テレビや機内での上映向けに暴力シーンや性的な場面、不適切な言葉を削除したクリーンバージョンを、一般消費者向けに提供するというもの。消費者が配信サービスiTunes、Vudu、FandangoNOWでオリジナル版を購入すると、クリーンバージョンがついてきます。対象タイトルは「ゴーストバスターズ」「スパイダーマン」「ハンコック」など20作以上。
Sony Picturesは、クリーンバージョンは「より幅広い視聴者が見られる」としていますが、映画監督からは反発の声も。俳優で映画製作にも携わるセス・ローゲンさんは「私達の映画にはやらないでくれ」、「40歳の童貞男」などを手掛けたジャド・アパトー監督は「クリーンバージョンなんてくそくらえ」とTwitterで批判。また全米監督協会は、監督の許可なしではクリーンバージョンを提供しないよう同社に申し入れたとも報じられています。
同社はその後、「監督が賛同しなければクリーンバージョンを提供しない」と方針を変更。「以前に監修したテレビ用のバージョンをオリジナル版の付加価値として利用することに製作者の賛同を得たと考えていた。しかし彼らの1人でも不満があるか、考えを変えたのであれば提供をやめる」とメディアにコメントしています。
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