全国各地の酒蔵をほぼ網羅し、鑑評会で入賞したお酒も飲めるイベント「日本酒フェア2017〜國酒を味わう〜」が、池袋サンシャインシティ文化会館で6月17日に開催されました。日本酒が大好きすぎて「日本酒利き酒師」の資格も取得してしまった筆者が日本酒好きにはたまらない場所にお邪魔してきました。
「第11回全国日本酒フェア」「第105回平成28年酒造年度全国新酒鑑評会公開きき酒会」の併催となった同フェア。「全国日本酒フェア」には45都道府県の酒造組合が出展し、860点もの地酒を飲み比べることができました。
受付でおちょこをもらい、どのお酒から飲もうかなと歩いていると、秋田県のブース前にはミス日本酒2017秋田代表の戸嶋一葉さんの姿が。秋田美人だ!
一葉さんお勧めの日本酒を聞くと、ラベンダーから取り出した酵母で造った「美郷雪華」とのこと。日本酒と言えば一般的に、お米をこうじで糖化して、酵母でアルコール発酵させて造るもの。お花の酵母を使うのは珍しいのですが、爽やかな香りに誘われ飲んでみると、ほんのりした甘さがすーっと口の中に消え、お酒という感じがしません。女性にも、日本酒を飲んだことがない方にもおすすめです。
会場には6人のミス日本酒2017が来場。ミス日本酒2017グランプリの田中梨乃さんと、準グランプリの藤内秋桜さんを見つけることができました。
ミス日本酒2017の美しさにも酔いつつ、各ブースを回ってみました。
まずは、鑑評会での金賞受賞数が5年連続日本一の福島県ブース。お勧めされたのは、「生もと造り」という昔ながらの製法で造られた「大七」。自然の乳酸菌を使っているので力強く、かすかなヨーグルトっぽさがありますが、なめらかな味わいでクセがありません。
続いて北海道ブースの「吟風國稀」。「吟風」という北海道産の酒造好適米(お酒造りに向いたお米のこと)で造られたお酒です。飲んでみるととてもさっぱりとした口当たり。海鮮料理に合いそうなお酒でした。
日本酒の生産量が全国3位の新潟県ブースでは、パンダのラベルがかわいいお酒「KOSHI-TAN」を勧められました。地元の酒造好適米「越淡麗」を使って、今季初めて仕込んだお酒とのこと。新潟といえば辛口のイメージですが、KOSHI-TANはほんのり甘くて飲みやすく、これまでにない印象です。
そして、筆者が住む埼玉県のブース。地元近くにある酒蔵のお酒「武蔵野」は、上品な甘みの後にシュワッとした発泡性を感じられるお酒。酵母がアルコール発酵させるときにガスも生み出すので、新鮮なお酒などでは微かに発泡性が感じられるのです。
そして、全国1位の生産量で、酒造好適米のチャンピオンとも呼ばれる「山田錦」発祥の地、兵庫県ブース。山田錦を使った「櫻華一輪」は、豊かな香りで、米由来の味のうまみとコクが感じられます。
兵庫県に次ぐ全国2位の生産量の地、京都府ブースでは、地元の酒造好適米「祝」で造られた「神聖」をいただきました。香りがあってソフトな辛さは、全体的にバランスが良いです。普段は甘口しか飲まないという方にもお勧めしたい一本です。
焼酎のイメージが強い九州にもおいしい日本酒がたくさんあります。まずは、兵庫県に次いで山田錦の生産量が多い福岡県のブース。最近の日本酒のはやりは“香り高い”ことですが、福岡ではとにかく飲みやすいお酒が好まれるそうで、地元の人に愛されるお酒造りに励んでいるとのこと。勧められた「蒼田」は山田錦を使ったお酒で、香り高くて味もコクがあり、後味がきれいなので何杯でも飲めそう。
筆者が大好きな日本酒が2銘柄ある地、佐賀県ブース。佐賀藩を築いた鍋島直茂にちなんだ「鍋島」と、東洋で一番おいしいお酒を造ることを目標に掲げて名づけた「東一」のうち、東一をいただきました。飲んだ瞬間に感じる圧倒的なバランスの良さ! しかも、酸があってキレも良い。若い人が好むような味わいも考えて造っているのだなと感じられました。
最後に全国で1番お酒の消費量が多い高知県ブース。お勧めは「文佳人リズール」。飲んだ瞬間、まるで白ワインのような酸のある味わいは、女性に好まれる味。女性と飲む機会があれば、これをお勧めすると喜ばれそうです。
「公開利き酒会」の方では、新酒のできを審査する「新酒鑑評会」で入賞した酒約430点(うち金賞が約240点)の利き酒が行えました。
ちなみに今回のような日本酒の味を比べられるイベントでは、酔ってお酒の味が分からなくなることを避けるために、口に含んだ後に吐き出す「酒吐き」が用意されています。水と併せて利用して、ベロンベロンにならないことが楽しむコツです。
(幻夜軌跡)
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