日本酒117種類、ワンコインで“利き酒” 新潟にある「日本酒ゲーセン」が想像以上のワンダーランドだった
日本酒の利き酒がゲームセンター感覚で楽しめる? ネットで話題になっていた、「日本酒ゲーセン」こと「ていすてぃんぐGALLERY 越の室」へ行ってきた。
おちょこをセットし、メダルを入れてボタンを押すと日本酒がジャー。自動日本酒マシーン117基をワンコインで楽しむ“日本酒ゲーセン”がおもしろそうだとネットで話題になっていた(NAVERまとめ)。
日本酒の飲み比べをゲーセン感覚で楽しめるなんて……。実際に体験しようと、新潟県の湯沢町にある「ていすてぃんぐGALLERY 越の室」へ行ってきた。
「ていすてぃんぐGALLERY 越の室」は、JR越後湯沢駅の駅ビル・COCOLO湯沢にある利き酒施設。1995年にJR東日本によって作られ、現在はお酒とお米のミュージアム「ぽんしゅ館」の1コーナーとして営業している。
お店では新潟県の117種類の日本酒を、おちょこ5杯分500円というリーズナブルな価格で楽しむことができる。日本酒のラインアップは、お店の日本酒ソムリエさんが県下すべての酒蔵95蔵から厳選したもの。代表銘柄が95種類、四季に応じたおすすめ銘柄が22種類、全体的に中越地方のものが中心だ。
店内には壁一面に銀色の機械が埋め込まれている。施設が“日本酒ゲーセン”と呼ばれる由来の「利き酒マシン」だ。銘柄のラベルとメダルの投入口、日本酒の注ぎ口の1セットが117基、3列横隊で下駄箱のようにずらり。飲みたい銘柄に専用メダルを投入すればお酒が出てくる仕組みだ。
受付カウンターで専用メダル5枚とおちょこ1つを500円で引き換えてもらい、利き酒に挑戦してみる。117種類……どれにするか、片手でコインを鳴らしながら機械の前を右往左往。うわー、どのメダルゲームで遊ぶのか選んでいる時と似た状況だこれ。スロットにするかメダル落としにするかが、辛口か甘口かになっちゃってる。
銘柄には一つ一つ、酸度、日本酒度(0を基準にプラスになるほど辛く、マイナスになるほど甘い)、お店の利き酒師さんによるリポートなどあらゆるデータが掲げてあって参考になる。「先月の人気ベスト10」なるものがあったので、ベスト1位の純米酒「越後鶴亀」の注ぎ口におちょこをスタンバイ。
メダルを入れてボタンを押すと、電気ポットのお湯のようにお酒が出てきて、1、2秒で満杯に。とっくりも一升瓶も登場しないジャンク感もなんかゲームセンターっぽい! 飲んでみたところ、口当たりがすっきりしていて飲みやすく、後から舌にややヒリヒリくる酸味が好きでした。よし、次は何にしよう!
日本酒と合わせる「お塩」も95種類と豊富だ。マスでお酒を飲むときに、フチに塩を付けて口にする文化にならったコーナー。気になる塩をさじですくって舌の中央に乗せ、お酒を口に含む。もともと日本酒には辛味、酸味などがある中で塩味という表現がなく、合わせることでまた違った味わい方ができるそうだ。塩は「伯方の塩」といったメジャーどころから「ウコンの塩」など何やら珍しいものまでさまざま……これまで味くらべすると切りがなさそう。
飲み比べをより楽しみたいなら「利き酒テスト」(500円)がおすすめ。何の銘柄か伏せた状態で日本酒を1杯ずつ飲んでいき、5杯目に飲んだのは1〜4杯目のどれと同じ種類だったか当てるテストだ。毎月200人ほどが挑戦し、合格率は30〜40%くらい。
3杯目を飲むと1杯目の味を思い出すのがなかなか難しく、筆者も必死にメモをとっておきながら不正解という結果に。ただ、何のデータにも左右されず己の舌のみでお酒を味わうので、個人的にこっちの方が「利き酒」をたしなんだという気がする。正解すると「ぽんしゅ館利き酒師認定証」がもらえるよ!
お店の利き酒師・山田邦彦さんによると、おすすめの利き酒は銘柄やデータを気にせず当たって砕けろ精神で試していくことだそうだ。日本酒度や酸度はあくまで数字であって、舌に合うかどうかは別の話。舌との相性は自分で口にしてみるまで分からないので、「吟醸」「大吟醸」といった特定名称酒のカテゴリにもこだわらず、飲んだことのない銘柄にチャレンジして欲しいとのこと。同じ銘柄ですら毎年味は変わるらしい……うーん、日本酒は奥が深い。
利き酒マシンのお手軽感やゲーセンのようなエンターテインメント性は、このように日本酒をたしなむ入り口としてうってつけだろう。「ぽんしゅ館」は湯沢だけでなく、2013年4月からJR新潟駅(新潟市)にもオープン。向こうの利き酒コーナーでは下越地方の銘柄が充実しているそうだ(システムや銘柄の数はまったく一緒)。
気持ちよく呑みたかったので、筆者がこの日利き酒した杯数は10杯。事あるごとに通って117種類をコンプリートしてみたいところだ。ちなみに1日の最高記録は山形県出身の方の43杯! みなさん、それぞれのペースで、よい利き酒を。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 羽田空港の「MIKU WING SHOP」に行ってみた! ミクさんの新しい等身大フィギュアがマジ天使すぎ
羽田空港の期間限定ショップ「MIKU WING SHOP」には、背中に翼が生えた天使なミクさんが舞い降りていました。 - どういうこと?:“大卒”のマグロが食べられる料理店に行ってみた
魚の世界も学歴社会か……。 - とろっじゅわっのレア食感 行列ができる“焼きたてチーズタルト”を求めて渋谷へ
これは……ケーキではない。チーズという“飲み物”だ。 - 激混み予報:24時間「朝マック」を提供するマクドナルドに行ってみた
1月17日から20日までの期間限定。急げ! - 朝食いただきました:“ニューヨークの朝食の女王”が新宿にオープン 噂の朝食メニューを食べに行ってみた
現地に行かなくても食べることができる世界の名店がまたもや日本に上陸しました。その名は「Sarabeth's (サラベス)」。 - 第4の調味料:キミは幻の「船橋ソースラーメン」を知っているか?
船橋市に伝わる「幻のご当地ラーメン」があるらしい。ラーメンにソースって……本気ですか? - このアイス、ドラマで見たことある!:日本初上陸のアメリカ人気アイスクリーム「BEN&JERRY’S」にひと足お先に行ってみた
アメリカのドラマに登場し、旅行雑誌などでも紹介されるアメリカのアイスクリーム「BEN&JERRY’S」が日本に上陸。4月14日のオープン初日にアイスクリームを無料提供する。 - 「ONE PIECE展」に行ってみた:これがひとつなぎの大秘宝なのかもしれない 六本木上空「ONE PIECE展」へ
「俺の財宝か? ほしけりゃくれてやる! 探せ! この世のすべてをそこにおいてきた!!」――というわけで六本木ヒルズに行ってみた。そこには確かにお宝がありました。