アシストしすぎな電動自転車に消費者庁が注意喚起 こいでいないのにモーターだけで走り出すケースも
国民生活センターが9銘柄をテストしたところ、2銘柄が道交法基準の上限値をオーバーしていたとのこと。
消費者庁が市販の電動アシスト自転車のなかに、アシスト機能が道路交通法上の基準を超えるものがあると指摘。モーターによる基準以上の力が不意に加わるとバランスを崩しやすく危険と、注意を呼びかけています。
電動アシスト自転車の基準は、道路交通法施行規則第一条の三に規定。人がペダルを踏む力とモーターによる補助力の比(アシスト比率)が「走行速度時速10キロ未満では最大で1:2」「時速10キロ以上時速24キロ未満では走行速度が上がるほどアシスト比率が徐々に減少」「時速24キロ以上では補助力が0」になることと定められています。これらに適合しない製品は公道を走行することはできず、法令違反となるおそれもあるとのこと。
電動アシスト自転車に関する相談は国民生活センターにも多く寄せられており、「こいでいなくても車輪が回ってしまう」「自転車が急に発進し転んでけがをした」「自転車屋に修理を頼んだら、『公道を走れない機種なので』と断られた」といった事例があがっています。同センターはこれを受けて、10万円以下の比較的安価な電動アシスト自転車9銘柄に問題がないか調査し、情報を公開しました。
アシスト比率を測定した結果、2銘柄が道交法基準の上限値を超過。うち1銘柄はアシスト比率が基準を大きく上回り、低速走行においては人の力をほとんど要さずに走り出してしまったそうです。もう1銘柄も形式認定を受けているのにもかかわらず、アシスト比率が基準をわずかに超えていたとのこと。
同センターは道交法基準超過に該当する製品を所持する消費者へ、使用を中止のうえ購入先や事業者へ確認するよう提案。購入時には形式認定の証であるTSマークを目安にするようアドバイスしています。あわせて、事業者や行政へは当該製品の回収や消費者への周知を、警察庁には事業者への指導を求めています。
(沓澤真二)
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 雨が降る夜道に「命知らず」な自転車乗り 無灯火で傘を差して帰る無謀な人たちに注意喚起する漫画が話題に
いつかひかれる可能性大です。 - 自転車の停止サイン「背中でパー」は通じない? 警視庁と自転車競技連盟に聞いてみた
手信号って習った気がするけど、やったほうがいいの? - 自転車や傘を盗む人に罪悪感はない? 常習犯の言い分にTwitter騒然 「最低すぎて意味分からない」「今でも呪いの標的にしてる」
常習犯の言い分がいちいち腹立たしい。 - 空気不要の自転車用次世代タイヤ、ブリヂストンが開発 樹脂製の特殊スポークで荷重を支持
メンテが簡単なうえパンクの心配も無用。 - 道交法に適合しない「電動アシスト自転車」、消費者庁が注意喚起 「バランスを崩すなど危険」
該当する「電動アシスト自転車」を公開しています。 - 自転車の世界選手権で史上初の技術不正が発覚! その仕組みとは?
まさか、これを本当にやるとは! - 必要な時間は1分! あっという間に電動アシスト付き自転車に変身できる「GeoOrbital Wheel」がKickstarterに登場
販売されている大人用自転車の95%が交換可能となっています。 - 電動自転車を自力で作った猛者出現 音やスピードがもはや自転車じゃない
実走行で時速60キロ!