お弁当においしいおにぎり。具もさまざまで楽しめます。
ところが困ったことにこのおにぎり、食べてみないと中身が何だか分からない。鮭か梅干しか昆布か、はたまた明太子かというのは、とても重要な問題です。
そこで筆者は考えた。おにぎりの「海苔」にカラーバリエーションを作って、例えば梅干しおにぎりには赤い海苔を巻けばいい。
思い付きにしてはイケるんじゃないかと思ったこのアイデア、企業に提案する前に実現可能性を調べてみましょう。
海苔への着色料利用は禁じられている
いきなり答えを言ってしまいます。「海苔には着色料が使えない」のです。
理由は単純、「質の悪いものを着色してごまかされると困るから」。海苔の持つ本来の黒や青(緑)などの色味が、着色料によってごまかされてしまうと、消費者がその質を判断することが難しくなってしまいます。
同様の理由で、ほかに食肉や鮮魚介類、茶、まめ類なども着色料の使用を制限されています。食品添加物の安全性などについて研究している日本食品化学研究振興財団のページでは、添加物や食品ごとに詳しい情報が閲覧できます。
そんなわけで、思い付きだけで一発当てる計画は一瞬で幻と化したのでした。残念。
海苔以外の可能性
しかし、カラフルな海苔が使えなくてもあきらめる(?)必要はありません。例えば、にんべんの「手巻きかつお」は、海苔に当たるものを鰹節で作っちゃえばいいじゃん、というアイデア商品。おもちや手巻きずしに使うのもおいしそうです。
ほかにも、全国には宮崎県発祥のご当地グルメとして有名になった「肉巻きおにぎり」や、海苔の代わりに高菜の浅漬けを巻く熊野の郷土料理「めはりずし」があります。
地方によっては、さらに「とろろ昆布」「大葉」「湯葉」を使うなどのアレンジレシピも。単に見た目が華やかになるだけでなく、味のバリエーションも増やせて一石二鳥、といったところでしょうか。
海苔を巻いたいつものおにぎりは、これからも黒くてツヤツヤしたあの見た目でいてくれたほうが、やっぱり安心するかもしれませんね。
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アレじゃないことを祈る。