“サーバ型”プリペイドカードが詐欺に悪用されている
コンビニでは「iTunesカード」「Google Playギフトカード」「Amazonギフト券」「LINE Payカード」などのいろいろな“サーバ型”プリペイドカードが売られています。買ったことがない人でも見かけたことがあるのではないでしょうか。
実際にプリペイドカードを使ってみた
この“サーバ型”プリペイドカード。通常はどうやって使うものなのでしょうか? 実際にAmazonギフト券を買って使ってみました。
(筆者がたまたまAmazonを利用するので購入しただけであり、実際の詐欺の事例とは関係ありません。どのプリペイドカードも詐欺に利用される可能性はあります)
カードの裏面に「コインで軽く削ってください」と書いてある箇所があります。ここを削ると15桁の英数字の「ID番号」(Amazonでは「ギフト券番号」と呼称)が出てきます。
カードに書いてある「ID番号」をAmazonの登録画面から登録すれば、サイト内マネーとして利用できるようになります。登録のURLはカードに書いてありました。
カードに書かれている「ID番号」は、一度サイトに登録すると使えなくなります。
こういったプリペイドカードは商品券のようにプレゼントとして利用したり、クレジットカードをサイトに登録したくない人に重宝されています。
詐欺師はどのように悪用しているのか
事例には「プリペイドカード70枚分の番号をファクスした」とありました。そうです。ファクスした番号は「ID番号」だったんです。「ID番号」が入手できれば、カードを買った本人でなくても自分のお金のように利用できます。
実際、業者がID番号を受け取った後、自分でサイトに登録しているか、転売しているのかなどの流れは不明ですが、銀行振込より足がつきにくい手段として利用されているようです。
国民生活センターでは、「業者がプリペイドカードを購入するよう指示する場合、その業者は詐欺業者である可能性が高い」と注意を呼びかけています。
(画像は筆者がたまたまAmazonでニンテンドープリペイド番号を購入しただけであり、実際の詐欺の事例とは関係ありません。この仕組みを利用した通販サイト、プリペイドカードは複数あります)
また、通販サイトやオークションサイトで「ID番号」だけ購入することもできます。例えば、通販サイト上で決済が完了すると画面上に「ID番号」が表示されます(もしくはメール等で伝えられます)。カード本体が送られてくることはありません。サイトで何かの番号らしきものを購入するよう指示され、その番号を伝えるようにといわれたら、詐欺を疑いましょう。
さらに、このプリペイドカードは「マルチメディアキオスク端末」から購入することもできます。マルチメディアキオスク端末で「○○プリペイドカードを○○○○円分購入する」という操作をすると端末から印字された紙が出てきます。その紙をレジに持って行き代金を支払えば、例えば領収書にID番号が印字されるなどでID番号を受け取れます。相談事例ではその操作を指示されていることが推測されます。
最近では、ショッピングサイトで支払いを行う際に画面上で注意喚起がなされたり、コンビニ店頭での声がけなど業界でも被害防止の取り組みはなされているようですが、完全に防ぐことはできていません。身の回りに、こういった新しい決済方法に苦手意識がある方がいらしたら、こういうこともあるんだよと教えてあげてください。
(高橋ホイコ)
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