「ビットコイン分岐危機」で国内13社の取引が一時停止へ 8月1日から、原因は運営ルールめぐる対立
最悪の場合、ブロックチェーンが半永続的に分岐する「賛否両論フォーク」が発生。※追記あり
ビットコインで発明以降初というレベルの“分裂”が起こりうると、日本仮想通貨事業者協会が発表しました。これに伴う混乱を回避するために、仮想通貨交換サービスを行う13社で、8月1日からビットコインの取引が一時停止される予定です。
ビットコインには、取引履歴が記録されたデータ(ブロック)を鎖のように連結させるブロックチェーンという仕組みがあります。これにはデータの改変を防ぐ役割があるのですが、利用者の増加に伴いデータ量が拡大したことから、取引にかかる時間が伸びるなどの問題が発生しています。
ビットコイン取引所を手掛けるCoincheckのブログ記事によると、この問題解決に向け、8月1日以降の約3カ月間のうちに「SegWit」という技術を有効化していないブロックを不正とする提案(BIP-148)が登場。もし反対派が現れた場合、ブロックチェーンが「同技術に反対するブロックを許容する/しない」の2つに分岐する可能性があるそうです。また、「BIP-148」以外の提案も行われており、事態の進展によってはさらに激しい分岐が発生してしまうとの指摘も。日本仮想通貨事業者協会は、最悪の場合、ブロックチェーンが半永続的に分岐する「賛否両論フォーク(賛否が拮抗した場合に発生。フォークは分岐の意)」が起こるとしています。
今回の取引停止は、このような事態によるセキュリティリスクの回避を目的としており、8月1日午前0時(日本時間)以降の受付をストップする予定。再開時期は未定となっています。なお、複数のブロックチェーンが併存することになった場合、一部ブロックチェーンに関わるコインの売買が継続されない可能性があるそうです。
7月23日追記
日本仮想通貨事業者協会はその後、分岐の一部が、当初予想されていた8月1日から繰り上がり、7月23日に発生することになったとして、それに合わせて取引を停止すると発表しました。
(マッハ・キショ松)
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- ビットコインはなぜ「安全」と言えるのか? 仕組みをやさしく解説する
京大生がやさしく解説。 - 仮想通貨取引所コインチェックでビットコインが「正常ではない価格」に急騰 → サーバ停止、ロールバック対応へ
「規約で『成立した取引は取り消せない』とあるのに今回のを取り消すのは理不尽」などの批判も。 - ビックカメラがビットコインを試験導入 仮想通貨の利用には注意も必要
有楽町店とビックロ新宿東口店で4月7日から。 - 「ビットコイン」発明者名乗る人物、証拠の公開を撤回 「勇気がない」
本当に発明者なのか疑う声も上がっていました。 - 内閣サイバーセキュリティセンターが「情報セキュリティハンドブック」を電子書籍で無料配信開始 SNSとのつきあい方など
夏休みを迎える小中高校生に。