紅茶の名産地として知られるインド西ベンガル州ダージリンで、州政府に反発するデモが過激化。ダージリンの茶葉収穫/輸入が困難な状況が続いています。
国内の大手お茶専門店「ルピシア」は公式サイト上で、「(6月前半から)すべての茶園および公共サービスなどがストライキに入り、お茶の収穫などの作業ができなくなりました」と現地の状況を伝えています。本来5月〜7月は夏積みのダージリン(セカンドフラッシュ)が旬の季節。ルピシアではストライキ前に茶葉が確保できていたため、夏積み分が7月25日から店頭に並ぶ予定ですが、状況が改善しなければ今後は市場価格の高騰といった影響も考えられます。
ダージリンを巡る状況について日本紅茶協会に問い合わせたところ、「価格高騰は現時点では全くない」と回答。今後の高騰については「ないとはいえない」というコメントに留めました。また、現地の状況は具体的には把握できていないとしつつも、「秋の収穫には間違いなく影響はある」とのことでした。
同地区ではこれまでもしばしばデモが行われていましたが、今回は州政府が学校でのベンガル語教育導入を決定したことで事態がさらに悪化。州全体ではベンガル語が母語のベンガル人が多数を占めますが、同地区ではネパール語を話すネパール人が多く、州政府がベンガル語を押し付けてネパール語を奪うつもりではないかと強い反発を招きました。
6月前半にはダージリン地区に「ゴルカランド」という新州創設を求める「ゴルカ人民解放戦線(GJM)」の呼びかけで、大規模なデモやストライキがスタート。これを発端として暴動や放火も相次ぎ、死傷者や逮捕者が出る事態に発展しています。7月には県長官(District Magistrate)が「ベンガル語が全ての学校で義務化され、ネパール語に取って代わるとするうわさが飛び交っているが、事実ではない」とコメントしたことも現地メディアに取り上げられましたが、依然として沈静化には程遠いのが現状。直近では7月20日(現地時間)に政府関連オフィス2カ所が放火に遭うなど、混乱が続いています。
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見た目にも茶葉にもこだわりが。