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和歌山県東牟婁郡(ひがしむろぐん)にある「串本海中公園」は、隣接する海岸で人為的に放流されたとみられる“カクレクマノミ”などが見つかったとして注意を呼び掛けています。
同館のFacebookページによると、隣接する高浜海岸で7月15日にセジロクマノミ2個体、カクレクマノミ25個体、センジュイソギンチャク4個体と水槽装飾用のオブジェを発見。これらの生物は本来奄美諸島以南に生息する種で、串本では一度も確認されていないことなどから、人為的な放流と判断して回収を行ったとしています。
本来分布しない生き物を放流することは、その地域の生態系や長年に渡る海洋生物の研究データを乱してしまう恐れのある行為。人気者だったはずの生き物が外来生物として駆除の対象になることもあり、同館のスタッフブログでは、台風時や越冬時に命を落としてしまう可能性を指摘しています。
同館には「当地に分布する種のみを展示」という理念があって今回の生き物を展示することができない為、回収された生き物は「すさみ町立エビとカニの水族館」(和歌山県西牟婁郡)で啓発展示をしているそうです。
画像提供:串本海中公園
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