10月に入って、いよいよ装いも秋冬仕様に替わってきましたね。秋服や冬服のふわふわした感じ、着るのがわくわくして大好きなのですが、1つ嫌なことが。
バチッ! そう、静電気!!!
マフラーを外したら髪が広がってしまったり、ドアノブに触れたらバチッとしたり。空気が乾燥している冬は、特に静電気と戦う場面が多いはず。
われわれは静電気にどう立ち向かえば良いのか。戦う手段を講ずるために、敵を知ることから始めましょう。
静電気はなぜ起きる?
全ての物質は、原子が合わさってできています。その原子1つ1つは陽子・中性子・電子によって構成されています。
この中で、陽子はプラスの電荷を持ち、電子はマイナスの電荷を持っています。つまり、電気のもととなる電荷は、全ての物体に存在するということです。
プラスとマイナスの電荷は、普段はバランスがとれているため、電気として感じることはありません。しかし、2つの物体が接触することで、一方にプラスの電荷が、もう一方にマイナスの電荷が多くなります。
これが“静電気”です。
つまり、身体の皮膚と服がこすれ合うことで、身体に静電気がたまるわけです。そして、ドアノブなどの電気を通しやすい金属に触れると、身体にたまっていた静電気が流れ、バチッと感じるのです。
人間は電気を通すの?
バチッと感じることは、他の人と接触したときにもありますよね。
あれ? 人間って電気を通すの?
はい、通します。人の身体は、電気抵抗の小さい、導体です。
われわれの心臓や手足は、脳からの電気信号によって動いています。つまり、身体に電気が流れなければ、生きていくことができないのです。
そもそも、身体に電気が流れないのであれば、バチッと感じることもないですよね。
対策はどうしたらいいの?
1. 部屋の中では湿度を60%程度にしよう
湿度が高いと、空気中に含まれる水分によって、発生した静電気が流れていきます。しかし、冬は湿度が低いうえに、暖房などでさらに乾燥した空気となっています。
部屋で暖房などを使用する際は、加湿器のスイッチもオンにすると良いでしょう。加湿器がない場合は、濡らしたタオルを干したり、コップに水をいれて置いておくだけでも良いそうです。
2. 洗濯には柔軟剤を使おう
柔軟剤は、衣類の肌触りを良くするためのもの。すなわち、表面を滑らかにするものです。すると、衣類の繊維同士の摩擦が軽減されるため、静電気の発生そのものを抑えることができます。
さらに、柔軟剤に含まれる界面活性剤には、空気中の水分子と結合するはたらきがあり、発生した静電気を流れ出させてくれます。
3.ドアノブに触る前に壁を触ろう
「あっ、やばい。これは今ドアノブ触ったらバチッとくるぞ……」
そんな予感がした時には、加湿も柔軟剤も手遅れ。仕方ないので、たまった静電気をよそに逃がしてあげましょう。
木やコンクリートは、ゆっくりと電気を流すので、バチッと感じることはありません。ですから、たまった静電気を逃がしてから、ドアノブなどを触れば大丈夫です。
いろいろな静電気
われわれが普段静電気を認識するのは、自らが感じたときがほとんど。嫌なものと思いがちですが、実際は静電気が役に立っている場面もあるのです。
例えば、空気清浄機。これは、静電気で空気中のほこりを集めて吸い取っています。
さらに、コピー機にも静電気が使われています。コピー機は、トナー(インクの粉)を、静電気の力で紙にくっつけています。
また、ラップも筒からラップをはがしたときに発生する静電気の力で、お皿などにくっつきます。
われわれに嫌な思いをさせるだけでなく、静電気はしっかりと生活の役に立っています。バチッと感じた時は、嫌悪感を抱くだけでなく、静電気への日頃の感謝の心も忘れないようにしたいですね。
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