懐かしの遊び「スマートボール」を今も遊ぶことのできるお店が、大阪の繁華街「新世界」にあるそうです。スマートボールとはスプリングで小さな玉を飛ばし、台に設置されたホールに入れる遊びのこと。一昔前は縁日などでよく見られたので、30〜40代以上の方は遊んだことがあるのではないでしょうか。もっと昔にはたくさん遊技場があったそうですが、今では非常にレアな存在となっているのです。
子どものころ、町内会の納涼大会でさんざん100円玉を屋台のおっちゃんに貢いだこの私としては、このスマートボールが遊べるというお店が気になって仕方がありません。というわけで、現地取材に行ってきました!
やってきたのは新世界のメインストリートに軒を連ねる「ニュースター」というお店。レトロ感漂う店構えが目印です。
中に入ると、そこにはスマートボール台がズラリ。それらに向かって多くのお客さんが熱心に玉を打っています。その光景はさながら昭和のパチンコ店のようで、「古き良き」が感じられます。正確な創業年は分かりませんが、店内に掲示されていた営業許可証などから判断すると昭和59年(1984年)にはすでにオープンしていたようで、少なくとも30年以上スマートボールで商いをしていたことになります。ちなみにこれらの台は「三葉産業」という会社が製造したもの。調べてみましたが、すでに倒産していました。
それではいよいよゲームスタート! 遊び方はいたってシンプル。台の左側にある硬貨投入口に100円を入れると玉がいくつか出てきます。それをセットした後、下にあるレバーを引くとスプリングが伸縮し、玉が発射されるのです。
台に設置されたいずれかのホールに玉をシュートできれば「当たり」。書かれた数字の分だけ追加の玉がもらえます。パチンコ同様、集めた玉はその数に応じてお菓子やぬいぐるみといった景品と交換ができるのです。もちろん、途中での台替えもOK。
ところがこのスマートボール、なかなか一筋縄ではいきません。台には絶妙なポジションで釘などがセットされており、その行方を妨害。いくつもの玉がむなしく奈落へと転落していきます。
ですが、ムキになって500円ほどを費やしたところで、少しずつ「コツ」が分かってきました。最大のポイントは「スプリングのクセを把握すること」。どのぐらい引けばどの程度飛ぶのかを、理屈でなく手の感覚で覚えることです。文章で伝えると難しいように思えるかもしれませんが、何度かやっていれば自然と把握できます。それをクリアした後は、ずっと同じ力で同じところに飛ばし続ければよいのです。
ズバリ、このスマートボールは「確率のゲーム」。あちらこちらにあるホールへ見境なく玉を飛ばすよりも、1つのホールを集中的に狙った方が明らかに効率的。そうすれば「特定のホールに玉が入る確率」が上昇するので、そう遠くないうちに当たりがでます。
そして、狙うなら「15」という数字が書かれたホールを狙うようにしてください。そこに玉を入れることができればいわゆる「フィーバー状態」となり、新たな15点ホールがオープンする仕組み。台によってその場所は違いますが、いずれもかなり入れやすいポイントに出現するので、玉を稼ぐ絶好のチャンス!
というわけで、台の外側にある15点ホールへ集中砲火! すると、7〜8回に1回は玉が入るようになってきました! 玉をインさせるたびに「ガラガラガラ〜」と追加の玉が上から降ってきて、なんだかすごくいい気分。いつの間にか、台から玉があふれるほどに稼げてしまいました!
最終的に手に入れた玉は100個以上。最後は景品のお菓子と交換してもらいました!
時代の流れにより、こうしたゲームができる遊技場はどんどん少なくなっています。ある意味では仕方のないことなのかもしれませんが、できれば多くの方にこのスマートボールの楽しさを実感していただきたいですね。
(エンジン)
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