「俺は人間が嫌いだ」――そう語る1匹の犬が登場する漫画「願わくば」がTwitterに投稿され話題になっています。再読時にはタイトルで泣かされそうになる罠……。
子どものときにケージに入れられ、人間によって母親と離された過去を持つワンちゃん。小さな女の子のいる家庭に飼われることになります。“ルーカス・ジャクソン”という本名があるものの、「可愛い〜」とキラキラした目で見つめる女の子がそれを当てられるはずもなく、「ポン太」という名前をつけられることに。「そんなダサい名前認めるか!」と抗議するも、人間に聞こえるのは「ワンワン」のみで、喜んでいることにされては「違うううううう」とポン太。
そんな女の子との出会いから2年が経つも、人間は飽きが早いと聞いていたポン太は「いつ俺を捨てるのか見ものだな」と語り、まだどこか完全には信用していない様子。
それでも、次の日、また次の日も散歩にご飯に加えて「可愛いねぇかあぁいいい」とナデナデされる日々に、「ふっ! 俺は人間なんて大嫌いだからな!」と不服そうな表情をしつつも、尻尾はパタパタと上機嫌そうな動きに。内心うれしそうなのが見ていてほっこりしますが、ある日の散歩中、いつもと違うコースからワクチン接種のため動物病院へと連れてこられたポン太は再び「人間なんて大嫌いだ!」と叫ぶのでした。
時が経つのは早く、小さかった女の子も大人になってはポン太も知る男の子と結婚。かわいい赤ちゃんが生まれたその日も、彼女の側にはポン太の姿がありました。
そして、歳をとっているのはポン太も同じ。医者からの宣告を受け「いつからか体が動かなくなった」「死ぬんだってことくらい自分でもわかる」と語るポン太は、横になって息も絶え絶えな状態に。そんな彼の側には「ポン太ごめん、ごめんね」「私のせいだ。私がちゃんとしてなかったから」と謝る、忙しい母親となった“女の子”の姿が。
「飼い主として失格だ」「きっと私以外の人に飼われていた方がもっと生きられて幸せだったよね」と再び謝ろうとする女の子に、「ワンワン」「ワンワン」と反論するように鳴くポン太。「謝るなよ! 謝るな!」「なんだよそれだからお前なんて嫌いなんだ!」と強く言うと、「もう……もうこれ以上、俺の思い出を否定するなよ」と、これまで一緒に過ごした日々とその思いを伝えようとします。
言葉は伝わらなくとも、その思いは伝わったのか「そうだよね」と、涙を流しながらも笑顔になった女の子は「今までありがとう」と感謝の言葉を一言。そして「ポン太は幸せだった?」という言葉に、幸せだったよ、という思いを込めて「ワン」と鳴くポン太。最期に思うのは「願わくばまた君と会えますように」。
このポン太と女の子の物語を投稿したのは、漫画家のおじさん(@gennkinauma/pixiv)さん。10月13日にコミックス発売となる、奥さんが文字通り“鬼”嫁な漫画「平山さん家の鬼嫁さん」やドS系コメディ漫画「貴様の攻めはなまぬるい」を描いており、他にもさまざまな種類のショート漫画をTwitterに投稿して話題になっています。なお今回の漫画「願わくば」は合計で約4万リツイート、約8万いいねが集まる人気に。
Twitterでは「電車内で泣いた……」「うるっときた」と感動で涙を流した人の声が多く寄せられ、「飼っていた犬にとても会いたくなった」「思い出して涙出てきた」など、自身の思い出と重ねる人の声も上がる反響となっています。
画像提供:おじさん(@gennkinauma)さん
(宮原れい)
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