情報処理推進機構(IPA)が「情報セキュリティに対する意識調査」の2017年の結果を公開。その中で「悪意ある投稿」をしたことがある人は投稿経験者のうち22.6%で、投稿理由として「人の投稿やコメントを見て不快になったから」が29.4%で前年より5.7ポイント増加、「いらいらしたから」が24.4%で6.6ポイント増加していることが報告されています。
調査はウェブアンケートで行われ、2005年から毎年実施。対象は13歳以上のパソコンとスマートデバイスのインターネット利用者(各5000人)です。
スマートデバイス利用者の中で「悪意ある投稿」の理由で最も多いのは「人の意見に反論したかったから」で30.3%。またその投稿後の感情では、「気が済んだ、すっとした」が最も多く35.6%で、前年と比べて4.3ポイント増加しています。なお10代・20代ではどちらもこの回答が40%以上で、特に高いという結果に。
また「自身の性的な姿を撮影した写真や動画」をSNSで共有する相手について、恋人などの非常に近しい間柄であればかまわないと答えた人がスマートデバイス利用者では7.4%、PC利用者では5.3%存在。さらにそれらの写真・動画のSNS投稿が問題あると認識している割合は前年比で1割ほど増加しているものの、全体でまだ半数程度にとどまる結果となっています。
IPAは、これらネットを介したデータのやり取りはリベンジポルノなどのリスクがあり、「一度でも流出してしまうと、完全に回収、消去するのは不可能です」として、プライベートな写真・動画の共有は控えるよう注意しています。
その他、PC利用者の中で「Windows Updateなどのセキュリティパッチ更新」「不審な電子メールの添付ファイルは開かない」などを実施している人は全体で半数程度で、PCの習熟レベルが低い層と高い層では大きな差が見られるという結果に。
加えて公衆無線LANの利用率が36.5%と前年より5ポイント増加し、今後さらに利用者が増えていくという推測から、「公衆無線LANは不特定多数が同じネットワークを利用するため、漏洩(ろうえい)・窃取(せっしゅ)されると困る情報のやりとりは控えるのが賢明です」と、利用時の注意点を挙げています。
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